「スラッシュリーディングって何?」「どこで区切るのが正しいの?」「本当に効果があるの?」
このようなお悩みを解消します。
スラッシュリーディングの基本から具体的なやり方、そしておすすめの教材やアプリまで詳しく解説します。
本記事の内容はこんな感じです。
- スラッシュリーディングとは何か
- スラッシュリーディングのメリット
- スラッシュリーディングの区切り方
- スラッシュリーディングにおすすめの教材とアプリ
英語の読解スピードを上げたいと思っている方には、スラッシュリーディングはおすすめです。
それでは、詳しく見ていきましょう。
スラッシュリーディングとは何か?
スラッシュリーディングは、英文を意味のまとまりごとにスラッシュ(/)で区切りながら読む英語学習法です。
以下の点がスラッシュリーディングの特徴です。
- 英文を意味のまとまりで区切る
- 文法構造に基づいて区切る
- 頭から順に理解する
それでは1つずつ、ご紹介していきます。
①:英文を意味のまとまりで区切る
スラッシュリーディングでは、英文を意味のまとまりごとに区切ることが重要です。
英語の語順に沿って、文章を理解する習慣が身につきます。
例えば、I went to the store / to buy some milk / for breakfast. のように区切ることで、文の構造が明確になります。
意味のまとまりを意識することで、英文の全体像を把握しやすくなり、読解力の向上につながります。
②:文法構造に基づいて区切る
スラッシュリーディングでは、文法構造に基づいて英文を区切ります。
主語、動詞、目的語、補語などの文法要素を意識しながら区切ることで、英文の構造を理解しやすくなります。
例えば、”The cat / jumped / onto the table / quickly.”のように、主語、動詞、前置詞句、副詞で区切ることができます。
文法構造を意識することで、複雑な英文でも正確に理解できるようになります。
③:頭から順に理解する
スラッシュリーディングの目的は、英文を頭から順に理解することです。
日本語訳に頼らず、英語の語順のまま理解する習慣を身につけることができます。
例えば、”Although it was raining, / we decided / to go for a walk.”という文を、「雨が降っていたけれども、私たちは散歩に行くことにした」と頭の中で訳すのではなく、各区切りの意味を順に理解していきます。
この方法に慣れることで、英語のリーディングスピードが向上し、リスニング力の改善にもつながります。
スラッシュリーディングは意味ない?【効果あり】
Google検索で「スラッシュリーディング」と検索すると、下記のように「スラッシュリーディング 意味ない」という言葉が出てきます。
しかし、スラッシュリーディングは英語学習に効果的です。
そもそも、スラッシュリーディングが意味がないと言われる理由は下記になります。
- スラッシュを引く位置で悩んでしまうから
- スラッシュを引くことが目的化してしまうから
- スラッシュがないと読めなくなるから
- 複雑な文に対応できないから
上記の理由は、スラッシュリーディングをしっかり理解して実践すれば解消可能です。
スラッシュリーディングは、単なる技術ではなく、英文を前から理解する能力を養う重要な学習方法です。適切に実践することで、英語力の効率的な向上が期待できます。
ということで、スラッシュリーディングのメリットを以下で見ていきましょう。
スラッシュリーディングのメリット
スラッシュリーディングには、英語学習において多くのメリットがあります。主に以下の3つが挙げられます。
- 英語の読解スピードが向上する
- 英語の語彙力を強化できる
- 英文法の理解が深まる
それでは1つずつ、ご紹介していきます。
①:英語の読解スピードが向上する
スラッシュリーディングを継続的に行うことで、英語の読解スピードが向上します。
スラッシュリーディングでは、英文を意味のまとまりごとに素早く認識する能力が養われるため、長文を効率的に読むことができるようになります。
例えば、TOEIC®のリーディングセクションでは、制限時間内に多くの文章を読む必要がありますが、スラッシュリーディングのスキルを身につけることで、より多くの問題に取り組むことができるようになります。
読解スピードの向上は、英語の総合的な能力向上にもつながる重要なスキルです。
②:英語の語彙力を強化できる
スラッシュリーディングは、英語の語彙力強化にも効果的です。
文脈の中で単語や表現を学ぶことができるため、より自然な形で新しい語彙を習得できます。
例えば、”The scientist / conducted / an experiment / to test / his hypothesis.”という文を読む際、「conduct」や「hypothesis」といった単語の意味と使い方を同時に学ぶことができます。
語彙力の向上は、リーディングだけでなく、リスニングやスピーキングなど、英語のあらゆるスキルの向上につながります。
③:英文法の理解が深まる
スラッシュリーディングを通じて、英文法の理解も深まります。
文を意味のまとまりで区切る際に、文法構造を意識することで、より実践的な形で文法を学ぶことができます。
例えば、”If it rains tomorrow, / we will cancel / the outdoor event.”という文を読む際、条件文の構造を自然に理解することができます。
文法の理解が深まることで、より複雑な英文も正確に理解できるようになり、英語力の総合的な向上につながります。
スラッシュリーディングの区切り方
スラッシュリーディングを効果的に行うためには、適切な区切り方を知ることが重要です。主に以下の3つの方法があります。
- 文法要素(SVOC)に基づく区切り方
- 接続詞と関係代名詞を活用した区切り方
- 前置詞句と準動詞での区切りのコツ
それでは1つずつ、ご紹介していきます。
①:文法要素(SVOC)に基づく区切り方
文法要素(SVOC)に基づいて英文を区切ることは、スラッシュリーディングの基本的な方法です。
SVOCとは、下記の略です。
- Subject(主語)
- Verb(動詞)
- Object(目的語)
- Complement(補語)
例えば、”The students / completed / their assignments / on time.”という文では、「The students」(主語)、「completed」(動詞)、「their assignments」(目的語)、「on time」(副詞句)で区切ることができます。
この方法を使うことで、文の構造を明確に理解しながら読むことができ、英文の正確な理解につながります。
②:接続詞と関係代名詞を活用した区切り方
接続詞と関係代名詞を活用した区切り方も、スラッシュリーディングでは重要です。
接続詞や関係代名詞の前後で区切ることで、文の構造をより明確に把握できます。
例えば、”Although it was difficult, / she persevered / and achieved her goal / which she had set / years ago.”という文では、接続詞「Although」と関係代名詞「which」の前で区切ることで、文の構造が明確になります。
この方法を使うことで、複雑な文構造も正確に理解できるようになります。
③:前置詞句と準動詞での区切りのコツ
前置詞句と準動詞(不定詞、動名詞、分詞)での区切り方も、スラッシュリーディングでは重要なポイントです。
これらの要素の前後で区切ることで、文の意味のまとまりをより明確に捉えることができます。
例えば、”After finishing work, / she went to the gym / to exercise / for an hour.”という文では、前置詞句「After finishing work」、不定詞「to exercise」、前置詞句「for an hour」の前で区切ることができます。
このコツを活用することで、より自然な形で英文を理解できるようになり、読解力の向上につながります。
スラッシュリーディングにおすすめの教材とアプリ
スラッシュリーディングを効果的に学ぶためには、適切な教材やアプリを活用することが重要です。以下の3つがおすすめです。
- TOEIC公式問題集
- TOEIC(R) L&Rテスト Part 7を全部読んでスコアを稼ぐ本
- 英語学習アプリ「レシピー」
それでは1つずつ、ご紹介していきます。
①:TOEIC公式問題集
TOEIC公式問題集は、スラッシュリーディングの練習に最適な教材の一つです。
この問題集には、ビジネスや日常生活に関連した様々な長文が含まれており、実践的なスラッシュリーディングの練習ができます。
例えば、Part 7の長文読解問題を使って、段落ごとにスラッシュを入れながら読む練習をすることができます。
TOEIC対策としても効果的であり、スコアアップにつながる可能性が高い教材です。
②:TOEIC(R) L&Rテスト Part 7を全部読んでスコアを稼ぐ本
TOEIC(R) L&Rテスト Part 7を全部読んでスコアを稼ぐ本は、スラッシュリーディングの技術を磨くのに適した教材です。
この本では、TOEIC Part 7の長文問題に特化した読解テクニックが紹介されており、スラッシュリーディングの実践的な使い方を学ぶことができます。
例えば、文章の構造を分析し、効率的に情報を読み取る方法が詳しく解説されています。
TOEICスコアアップを目指しながら、スラッシュリーディングのスキルを向上させたい人におすすめの教材です。
③:英語学習アプリ「レシピー」
「レシピー」は、スラッシュリーディングの練習に適した英語学習アプリです。
このアプリでは、ニュース記事や短い物語などの英文を、スラッシュで区切りながら読む練習ができます。
例えば、文章をスラッシュで区切った状態で表示し、それを音声と一緒に読む機能があります。
また、単語の意味や文法の解説も付いているため、総合的な英語力の向上にも役立ちます。
スマートフォンで手軽に練習できるため、日々の英語学習に取り入れやすいツールです。
スラッシュリーディングのやり方
スラッシュリーディングを効果的に行うためには、適切な方法で練習することが重要です。以下の4つのステップを順に実践していくことをおすすめします。
- 英文をスラッシュで区切る
- スラッシュごとに英文を理解する
- 文章を音読する
- スラッシュの数を減らしていく
それでは1つずつ、ご紹介していきます。
①:英文をスラッシュで区切る
スラッシュリーディングの第一歩は、英文を適切な箇所でスラッシュ(/)を使って区切ることです。
文法要素や意味のまとまりを考慮しながら、英文を区切っていきます。
例えば、”The company / announced / its new product / at the annual conference / last week.”のように区切ります。
初めは細かく区切ることから始め、徐々に大きな意味のまとまりで区切れるようになることが目標です。
この作業を通じて、英文の構造を視覚的に捉える力が養われます。
②:スラッシュごとに英文を理解する
次のステップは、スラッシュで区切った各部分の意味を理解することです。
各区切りの意味を頭の中で素早く理解していく練習をします。
例えば、”Although it was raining heavily, / the children / decided / to play outside.”という文では、各区切りの意味を「雨が激しく降っていたにもかかわらず」「子どもたちは」「決めた」「外で遊ぶことを」と順に理解していきます。
この過程で、日本語に訳さずに英語のまま理解する習慣を身につけることが重要です。
③:文章を音読する
スラッシュで区切った英文を音読することも、効果的な練習方法です。
各区切りを意識しながら、自然な速度と抑揚で読む練習をします。
例えば、”Despite the challenges, / the team / worked hard / to meet the deadline.”という文を、各区切りで少し間を置きながら読みます。
音読することで、リーディングとリスニングのスキルを同時に向上させることができます。
また、英語の自然なリズムやイントネーションも身につけることができます。
④:スラッシュの数を減らしていく
最終的な目標は、スラッシュの数を減らしながらも、英文を素早く正確に理解できるようになることです。
練習を重ねるにつれて、より大きな意味のまとまりで英文を捉えられるようになります。
例えば、”The scientist conducted an experiment / to test his hypothesis about climate change.”のように、より大きな単位で区切れるようになります。
スラッシュの数を減らしていくことで、より自然な速度で英文を理解する力が身につきます。
この段階に達すると、長文読解やリスニングの能力が大幅に向上します。
スラッシュリーディングについてよくある質問
スラッシュリーディングについて、学習者からよく寄せられる質問とその回答をご紹介します。以下の4つの質問に答えていきます。
- スラッシュリーディングはどこで区切るの?
- スラッシュリーディングのメリットは?
1つずつ、解説していきます。
①:スラッシュリーディングはリスニングにどのような効果があるのでしょうか?
スラッシュリーディングはリスニング力の向上にも大きな効果があります。
この方法で英文を読む練習をすることで、英語の自然な区切りやリズムを体得できるようになります。
その結果、音声を聞いたときにも意味のまとまりごとに理解できるようになるのです。
②:スラッシュリーディングは別名何といいますか?
スラッシュリーディングには特に広く知られた別名はありません(日本語だと「区切り読み」)が、関連する読解技術として「チャンキング(chunking)」があります。
チャンキングとは、情報を意味のある単位(チャンク)に分割して処理する認知プロセスのことを指します。
スラッシュリーディングは、このチャンキングの考え方を英語の読解に応用したものと言えます。
まとめ:スラッシュリーディングで英語読解力を向上させよう
スラッシュリーディングは、英語の読解力を効果的に向上させる優れた学習法です。
この方法を実践することで、以下のような利点が得られます。
- 英文を頭から順に理解する能力が身につく
- 読解スピードが向上する
- 語彙力と文法理解が深まる
- リスニング力も同時に向上する
ただし、スラッシュリーディングを効果的に行うためには、適切な区切り方や練習方法を知ることが重要です。
初めは細かく区切り、徐々に大きな意味のまとまりで理解できるよう練習を重ねていきましょう。
また、TOEICの公式問題集や英語学習アプリなど、自分のレベルに合った教材を選ぶことも大切です。
継続的な練習を通じて、英語を英語のまま理解する力を養っていけば、総合的な英語力の向上につながるでしょう。
スラッシュリーディングは、英語学習の効果的なツールの一つです。自分のペースで着実に練習を重ね、英語読解力を向上させていきましょう。