LGBTということばを目にする機会は増えたけれど、いざ本で学ぼうとすると、入門書から学術書まで種類が多すぎて迷ってしまう。
そんな経験をした人は多いのではないでしょうか?
僕自身、性の多様性について知りたいと思ったとき、どの本が最初の一冊にふさわしいのかわからず、ずいぶん遠回りをしました。
この記事では、予備知識ゼロでも読める入門書から、当事者のリアルな声、さらにはクィア理論の古典まで、全10冊を厳選しています。
読み終えたあと、ふだんの風景が少しだけ違って見えるはずです。
📚 あなたにぴったりのLGBT入門診断
Q1. まずどんな入り口がいいですか?
Q2. どんなスタイルで学びたいですか?
Q2. どちらに関心がありますか?
Q3. どんなテーマに惹かれますか?
あなたにおすすめの一冊は…
LGBTのおすすめ入門書3選

LGBTについて本で学ぶなら、まずは全体像をつかめる入門書から始めるのがおすすめです。
ここでは、予備知識がなくても最後まで読みとおせる三冊を紹介します。
- 森山至貴『LGBTを読みとく──クィア・スタディーズ入門』(ちくま新書)
- 石田仁『はじめて学ぶLGBT 基礎からトレンドまで』(ナツメ社)
- アシュリー・マーデル『13歳から知っておきたいLGBT+』(ダイヤモンド社)
森山至貴『LGBTを読みとく──クィア・スタディーズ入門』(ちくま新書)
LGBTという言葉を手がかりに、多様な性のあり方を学問的に理解する方法を教えてくれる一冊です。
レズビアン・ゲイの歴史からトランスジェンダーの誤解をとく章、さらにクィア・スタディーズの五つの基本概念まで、段階的に読み進められる構成になっています。
この本を読むと、性的マイノリティの問題を良心だけでなく知識で考えるための土台が手に入ります。
新書サイズで240ページとコンパクトなので、通勤の行き帰りでも読みきれます。
とばり僕が最初に手にとったLGBT本がこれでした。入門書でありながら、クィア理論への橋渡しもしてくれます。
石田仁『はじめて学ぶLGBT 基礎からトレンドまで』(ナツメ社)
社会学者である石田仁が、LGBTの基礎知識から最新の社会的動向までを一冊に凝縮した入門書です。
カミングアウト、学校教育、健康、法律、自治体の取り組みと、テーマごとに章が分かれているので、気になるところから読めます。
この本を読むと、性的マイノリティをとりまく課題が日本社会のどの領域に存在するのかが一望できます。
教育現場や職場でLGBTについて学ぶ必要がある人にとって、実用的な一冊です。
アシュリー・マーデル『13歳から知っておきたいLGBT+』(ダイヤモンド社)
全米で累計2200万再生のYouTubeチャンネルから生まれた、約40人のLGBTQIA+当事者の声を収録したガイドブックです。
イラストを多用した構成で、スペクトラム、生物学的性、ジェンダーの表現方法といった基本概念がわかりやすく整理されています。
この本を読むと、性やジェンダーの多様性を自分ごととして受けとめる力が育ちます。
堅い本が苦手な人や、中学生・高校生にもすすめやすい一冊です。
LGBTの当事者の声を聴くおすすめ本2選


入門書で知識をつけたら、次は当事者のリアルな体験に耳を傾けてみましょう。
数字や概念では伝わらない生きた声が、理解を一段深くしてくれます。
- 砂川秀樹『カミングアウト』(朝日新書)
- 東小雪・増原裕子『同性婚のリアル』(ポプラ新書)
砂川秀樹『カミングアウト』(朝日新書)
文化人類学者であり、東京レズビアン&ゲイパレードの元実行委員長でもある砂川秀樹が、カミングアウトという行為の複雑さを8つのストーリーで描いた一冊です。
性的少数者であることを打ち明ける決断をした人と、その告白を受けとめた家族の葛藤が、ていねいに綴られています。
この本を読むと、カミングアウトが単なる告白ではなく、人間関係を根本から揺さぶる行為であることがわかります。
当事者だけでなく、告白を受けた側の視点も描かれている点が、この本ならではの強みです。
東小雪・増原裕子『同性婚のリアル』(ポプラ新書)
2015年に渋谷区で同性パートナーシップ証明書を取得した最初のカップルである二人が、同性婚の喜びと現実的な壁を対談形式で語った一冊です。
結婚を決めるまでの経緯から、法的に認められていないことで生じる相続や保険の課題まで、具体的に描かれています。
この本を読むと、同性カップルが日本社会で直面する制度的なハードルの実態が見えてきます。
ゲイカップルとの対談も収録されており、多角的な視点が得られます。
LGBTを思想・理論から考えるおすすめ本3選


入門書と当事者の声で土台ができたら、LGBTをめぐる思想や理論にも踏みこんでみましょう。
ここでは、セクシュアリティの常識を根底から覆した三冊をとりあげます。
- ジュディス・バトラー『ジェンダー・トラブル』(青土社)
- イヴ・K・セジウィック『クローゼットの認識論』(青土社)
- 河口和也『クイア・スタディーズ』(岩波書店)
ジュディス・バトラー『ジェンダー・トラブル』(青土社)
クィア理論の出発点として世界中で読みつがれている一冊です。
バトラーは、ジェンダーは本質ではなくパフォーマンスであると論じ、男女の区別が自明ではないことを示しました。
この本を読むと、性別をめぐる思考の枠組みそのものが揺さぶられ、LGBTの問題を個人の属性ではなく社会構造の問題として捉え直せるようになります。
ジェンダー論のおすすめ本でも詳しく紹介していますが、入門書を一冊読んでからなら、核心部分はしっかりつかめます。
イヴ・K・セジウィック『クローゼットの認識論』(青土社)
クィア理論のもうひとつの古典です。
セジウィックは、メルヴィルやプルーストの文学作品を読み解きながら、異性愛主義がいかにして同性愛を周縁に追いやってきたかを分析しました。
この本を読むと、セクシュアリティが個人の嗜好ではなく、社会の認識構造と深く結びついていることがわかります。
2018年の新装版が手に入りやすいです。
河口和也『クイア・スタディーズ』(岩波書店)
岩波書店の「思考のフロンティア」シリーズの一冊で、クィア・スタディーズの全体像を130ページで一望できるコンパクトな入門書です。
同性愛という概念の歴史から、レズビアン・ゲイ・スタディーズ、そしてクィア理論に至る流れが整理されています。
この本を読むと、学問がセクシュアリティの差別・抑圧にどう関わり、どう抵抗してきたかが見えてきます。
バトラーやセジウィックに進む前の足がかりとしても最適です。
LGBTをさらに深く読む応用おすすめ本2選


LGBTの理解をさらに広げるには、歴史や権力の視点から性を読み解く本が役に立ちます。
最後に、視野を大きく広げてくれる二冊を紹介します。
- ミシェル・フーコー『性の歴史I 知への意志』(新潮社)
- 三橋順子『歴史の中の多様な「性」』(岩波書店)
ミシェル・フーコー『性の歴史I 知への意志』(新潮社)
フーコーは、西洋社会において性が抑圧されてきたという通説を批判し、むしろ性についての言説が権力によって増殖させられてきたと論じました。
性は自然なものではなく、権力と知のネットワークを通じて作り出される歴史的な構築物である。
この本を読むと、セクシュアリティをめぐる社会の常識がいかに歴史的に形成されたものか、根本から問い直す視座が手に入ります。
LGBTの問題を社会構造から考えたい人にとって、避けてとおれない古典です。
三橋順子『歴史の中の多様な「性」』(岩波書店)
日本とアジアにおける多様なセクシュアリティと性別越境文化の歴史を描いた一冊です。
性社会文化史の研究者である三橋順子が、古代から近現代までの日本における性の多様性を、豊富な史料をもとにたどっています。
この本を読むと、LGBTの問題が欧米発の概念だけでは捉えきれない、日本独自の歴史的文脈を持っていることがわかります。
西洋中心の視点を相対化し、社会学や倫理学の知見とあわせて読むと、性の多様性がより立体的に見えてきます。
本をお得に効率よくインプットするコツ2選


LGBTについての本は、一冊読むと次々と気になるテーマが広がっていきます。
そこで、読書の量を増やしながらコストを抑える方法を2つ紹介します。
①12万冊が耳で聴けるAudibleプレミアム


通勤や家事の時間を読書に変えられるのが、AmazonのAudibleプレミアムです。
プロのナレーターが朗読してくれるので、新書サイズのLGBT入門書も耳からすんなり入ってきます。
目が疲れた夜でも、イヤフォンひとつで学びを止めなくて済むのが最大のメリットです。
初めての方は30日間の無料体験が使えるので、合わなければ期間中に解約すれば料金はかかりません。
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②500万冊が読み放題のKindle Unlimited


AmazonのKindle Unlimitedは、月額980円で500万冊以上が読み放題になるサービスです。
LGBTの入門書やエッセイもラインナップに含まれており、気になった本を片っ端から試し読みできます。
紙の本を買う前に中身を確認できるので、ハズレを引くリスクがぐっと減ります。
こちらも30日間の無料体験があるので、まずは読みたい本があるかチェックしてみてください。
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LGBTの本を読む順番ガイド


10冊もあると、どこから始めるか迷いがちです。
以下に、筆者がおすすめする読書の道筋を整理しました。
| 段階 | おすすめ本 | ポイント |
|---|---|---|
| まず最初に | 『LGBTを読みとく』 | 知識と学問の土台をつくる |
| 気軽に読む | 『13歳から知っておきたいLGBT+』 | 当事者の声とイラストで理解する |
| 当事者の体験 | 『カミングアウト』『同性婚のリアル』 | リアルな声から社会の壁を知る |
| 理論に挑戦 | 『クイア・スタディーズ』『ジェンダー・トラブル』 | セクシュアリティの常識を問い直す |
| さらに深く | 『性の歴史I』『歴史の中の多様な「性」』 | 歴史と権力の視点で読む |
上から順に読んでいけば、LGBTをめぐる知識が自然と積み上がっていきます。
もちろん、気になるところから手にとっても構いません。
あわせてフェミニズム本おすすめも読むと、ジェンダーとセクシュアリティの交差点がより見えてきます。
LGBTの本を読むと何が変わるのか


LGBTについて本で学ぶことは、マイノリティの問題を「知る」だけでは終わりません。
- 身近な人の悩みに気づける:知識があれば、無自覚な偏見にブレーキをかけられます
- 制度や法律の議論に参加できる:同性婚やパートナーシップ制度のニュースを自分ごととして読めます
- 自分自身の「当たり前」を問い直せる:異性愛が前提の社会構造に気づくことで、視野が広がります
難しそうに見えるLGBTの本も、入門書を一冊読み終えるだけで見える世界が変わります。
気になった本を手にとって、静かにページをめくってみてください。










