悩んでいる人高村薫の本は上下巻やシリーズ作品が多く、『マークスの山』の次にどれを選べばいいのか迷います。
高村薫の小説は、事件だけでなく、人物の思考や社会の仕組みをじっくり追う楽しみがあります。最初の一作の主題と、読み切る巻数から選んでみてください。
警察小説なら『マークスの山』、一冊の犯罪小説から入るなら『黄金を抱いて翔べ』、人物の長い変化を追うなら合田雄一郎の登場作が候補です。
12作品を紹介し、合田雄一郎が登場する作品と独立作を分けて説明します。上巻のカードがある長編は、続く巻を含めた構成も確認できます。
読める分量を先に把握し、謎と人物を時間をかけて追う一作を選べます。
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今回紹介する本には、オーディブルやKindle Unlimitedで無料で楽しめるものもあります。
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このような感じ。
本1冊以下の料金で何万冊も読み放題、聴き放題になるので、使わないともったいないです。
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1位:『マークスの山〔上〕』(新潮文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2011年 | 432ページ | 初〜中級者向け |
『マークスの山』は、南アルプスの過去と東京の連続殺人を結び、刑事合田雄一郎の捜査を描く直木賞受賞作です。
警察組織が情報を集める動きと、心に別の人格を抱えた青年の時間が並んで進み、二つの線が次第に同じ山へ近づきます。
謎を追う速さがありながら、捜査員同士の緊張や、事件の背後にある階層と権力まで描かれるため、警察小説を越えた厚みがあります。
上巻432ページの後に下巻が続きますが、合田雄一郎シリーズの入口と高村薫の代表性を一度に知りたい方には最初の候補です。
2位:『レディ・ジョーカー〔上〕』(新潮文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2010年 | 528ページ | 中・上級者向け |
『レディ・ジョーカー』は、巨大ビール会社の社長誘拐を、犯行側、警察、企業、新聞社の視点から描く毎日出版文化賞受賞作です。
競馬場に集う五人の男が抱える怒りは一つではなく、事件が動くほど、戦後の企業社会が見えないまま残した差別と不公平が浮かびます。
合田の捜査だけでなく、社長城山の判断や記者たちの競争も同じ重さで進むため、一つの犯罪を社会全体の動きとして読めます。
上中下の全3巻で人物も多いため、『マークスの山』で合田と警察組織に慣れてから、時間を確保して読むのがおすすめです。
3位:『李歐』(講談社文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 1999年 | 522ページ | 初心者向け |
『李歐』は、アルバイト学生の吉田一彰が美貌の殺し屋・李歐と出会い、離れた二人の十五年を大陸への夢とともに描く長編です。
拳銃と暗殺をめぐる緊張の中で、一彰は李歐の自由さと危うさに惹かれ、自分が送るはずだった人生から踏み出します。
犯罪小説の速さだけでなく、互いを縛らずに思い続ける二人の距離が、時間と国境を越えて物語を動かします。
522ページの一巻完結で、計画の精密さより人物の関係に惹かれる作品から、高村薫の熱量を知りたい方に向きます。
4位:『黄金を抱いて翔べ』(新潮文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 1994年 | 368ページ | 初心者向け |
『黄金を抱いて翔べ』は、大阪の銀行地下に眠る金塊を奪うため、六人の男が危険な計画へ集うデビュー作です。
防御システム、変電所、爆破の手順が具体的に組み上がり、だれか一人の力では成立しない強奪計画の緊張が続きます。
仲間は信頼だけで結ばれておらず、過去や欲望を隠した男たちの距離が、計画の成否と同じほど物語を揺らします。
368ページの一巻完結で動きが明快なので、長い警察小説に入る前に、高村薫の精密な描写と熱量を試したい方に合います。
5位:『照柿〔上〕』(新潮文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2011年 | 416ページ | 中級者向け |
『照柿』は、酷暑の東京で合田雄一郎、幼なじみの野田達夫、佐野美保子の感情が衝突する合田サーガ第2作です。
合田は駅で目にした美保子に執着し、鋳物工場で働く野田もまた、労働の熱と疑いの中で自分を保てなくなります。
事件の解決より、熱、金属、汗、不眠が人物の判断を変えていく過程に重心があり、高村薫の心理描写を濃く味わえます。
『マークスの山』の次に上下巻を続けて読むと、捜査する合田が自分の欲望によって揺らぐ変化をつかみやすいです。
6位:『リヴィエラを撃て〔上〕』(新潮文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 1997年 | 496ページ | 中・上級者向け |
『リヴィエラを撃て』は、東京で死んだ元IRAテロリストと、正体不明のスパイをめぐって各国の情報機関が動く国際諜報小説です。
CIA、MI5、MI6などの思惑が重なり、味方と敵が入れかわる中で、遠く離れた人々の選択が東京へ集まります。
国家の駆け引きだけでなく、音楽と家族の記憶が人物を動かし、情報を持つことと、その情報に人生を奪われることが並んで描かれます。
上巻496ページに多くの組織と人名が出るため難度は高めですが、大きな国際情勢と個人の孤独が結びつく小説を読みたい方に向きます。
7位:『我らが少女A〔上〕』(毎日文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2025年 | 352ページ | 中級者向け |
『我らが少女A』は、十二年前の未解決殺人と、その事件に関わった女性の死をきっかけに、合田が見落とした少女の記憶を追う長編です。
現在の捜査だけで真相へ進まず、教師、同級生、家族など複数の人が少女をどう見ていたかをつなぎ、消えた人物の輪郭を作ります。
同じ少女でも語る人によって姿が変わるため、記憶が事実を残す一方で、都合よく人を作りかえる危うさも見えてきます。
毎日文庫版は上下巻で読みやすく分かれていますが、合田の後悔と変化を深く受け取りたいなら『冷血』までの長編を先に読むと効果的です。
8位:『墳墓記』(新潮社)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2025年 | 192ページ | 上級者向け |
『墳墓記』は、自死を図った元法廷速記者の意識に、万葉集、源氏物語、定家、世阿弥など古い文芸の声が立ち上がる長編です。
病院につながれた身体と、生死の境をさまよう思考の中で、時代の離れた言葉や芸能が次々に重なります。
犯罪の筋を追う初期作とは異なり、古文と現代文の響き、読むことと語り継ぐことそのものが物語を動かします。
192ページでも文章の密度は高いため、短い本を軽く読むより、高村薫が日本文学の時間へ踏み込んだ作品をじっくり味わいたい方に向きます。
9位:『神の火〔上〕』(新潮文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 1995年 | 416ページ | 中級者向け |
『神の火』は、かつて極秘情報をソヴィエトへ流した元原発技術者島田が、原発襲撃計画をめぐる諜報戦へ引き戻される長編です。
島田と幼なじみの日野は、複数の国の情報機関に追われながら、原発という巨大な技術と自分たちの過去に向き合います。
施設の仕組みが緊張を作る一方、国に利用された人間がだれを信じ、何を自分の意志として選び直すのかが物語の中心にあります。
上下巻で技術用語もありますが、『黄金を抱いて翔べ』の機械描写が面白かった方が、国際政治と原発へ読み幅を広げる一冊に適しています。
10位:『土の記〔上〕』(新潮社)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2016年 | 256ページ | 中・上級者向け |
『土の記』は、奈良の山村で稲を育てながら老いる伊佐夫が、亡き妻の記憶と土地の変化に向き合う長編です。
光合成、稲の匂い、土壌、水の流れといった農の具体が、過ぎた時間を静かに見つめる主人公の身体と結びつきます。
妻の死と不貞への思い、村人との距離、晩夏の土石流が、個人の記憶より長く残る土地の時間を浮かび上がらせます。
上下巻とも文章は緻密ですが、犯罪の速度を離れ、老いと農業を描く高村薫の後期作品へ入るなら外せない受賞作です。
11位:『冷血〔上〕』(新潮文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2018年 | 480ページ | 中・上級者向け |
『冷血』は、歯科医一家四人が殺された事件を追う合田が、犯人二人の言葉と、奪われた生の重さの間で立ち止まる長編です。
犯人は早い段階で浮かびますが、犯行の重大さと供述の軽さが釣り合わず、捜査は「なぜ」という問いを簡単に満たしません。
被害者家族の日常と犯人たちの軌跡を同じ紙幅で見つめ、事件を説明する言葉が死者を回収できないことまで描きます。
上下巻の内容も読後感も重いため、合田の変化を『レディ・ジョーカー』や『太陽を曳く馬』まで追ってから読むと、彼の接近の仕方が深く伝わります。
12位:『晴子情歌〔上〕』(新潮文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2013年 | 448ページ | 上級者向け |
『晴子情歌』は、北洋漁船で働く彰之へ届く母晴子の手紙から、一人の女性と近代日本の時間をたどる長編です。
本郷の下宿屋から青森の旧家へ移った晴子の人生に、家族、漁業、炭鉱、労働、戦争の記憶が折り重なります。
手紙は息子の知らなかった母を見せるだけでなく、家に残された欲望と、個人の身体に刻まれた歴史を言葉にします。
上下巻の文体は濃密で、続く『新リア王』と『太陽を曳く馬』へつながるため、初期の犯罪小説を数作読んだ後の挑戦に向きます。
合田雄一郎シリーズと巻構成の選び方


検索結果には旧版、新潮文庫の改稿版、単行本、上中下巻が並ぶため、作品順と商品の巻番を分けて確認します。
合田雄一郎の長編は刊行順に追う
最初の『マークスの山』で刑事としての合田を知り、第2作『照柿』、企業誘拐を描く『レディ・ジョーカー』へ進みます。
その後は『太陽を曳く馬』『冷血』『我らが少女A』の順に読むと、役職や年齢だけでなく、他者へ近づく方法の変化も追えます。
『レディ・ジョーカー』だけは上中下の3巻をそろえる
『マークスの山』『照柿』『リヴィエラを撃て』『神の火』『我らが少女A』などは上下巻ですが、『レディ・ジョーカー』は上中下の全3巻です。
中古の一冊価格だけで比べず、完結までの巻数、送料、版のそろい方を確認すると、中巻が抜ける失敗を防げます。
三部作は『晴子情歌』から始める
『晴子情歌』『新リア王』『太陽を曳く馬』は、福澤家の歴史と二十世紀の日本をめぐる三部作です。
合田が登場する『太陽を曳く馬』だけを先に選ぶより、『晴子情歌』から読むと、家族、政治、宗教をつなぐ問いを受け取りやすくなります。
本をお得に効率よくインプットするコツ2選


高村薫の本は巻数も登場人物も多いため、安さだけではなく、前の場面へ戻りやすく、完結巻まで無理なく続けられる形式を選びます。
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高村薫の本に関するよくある質問


青春や幻想も含めて謎を楽しみたいなら、恩田陸のおすすめ本も参考になります。
まとめ:『マークスの山』から高村薫の世界へ入ろう


| ランキング | 書名 | 著者等 | ジャンル・主題 | おすすめ度(読む目的) |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | マークスの山〔上〕 | 高村薫 | 小説 | 警察と社会 |
| 2位 | レディ・ジョーカー〔上〕 | 高村薫 | 小説 | 文庫全3巻の長編 |
| 3位 | 李歐 | 高村薫 | 小説 | 友情と犯罪 |
| 4位 | 黄金を抱いて翔べ | 高村薫 | 小説 | 犯罪小説の入口 |
| 5位 | 照柿〔上〕 | 高村薫 | 小説 | 人間の内面 |
| 6位 | リヴィエラを撃て〔上〕 | 高村薫 | 小説 | 国際謀略 |
| 7位 | 我らが少女A〔上〕 | 高村薫 | 小説 | 現代社会と記憶 |
| 8位 | 墳墓記 | 高村薫 | 小説 | 思考を追う小説 |
| 9位 | 神の火〔上〕 | 高村薫 | 小説 | 原子力と諜報 |
| 10位 | 土の記〔上〕 | 高村薫 | 小説 | 農業と暮らし |
| 11位 | 冷血〔上〕 | 高村薫 | 小説 | 事件と加害者 |
| 12位 | 晴子情歌〔上〕 | 高村薫 | 小説 | 母から息子への語り |
高村薫の本は、金塊強奪と国際諜報から警察、企業、家族、農業、宗教、古典文学へと大きく広がります。
迷ったら『マークスの山〔上〕』、人物関係を一巻で味わうなら『李歐』、強奪計画を追うなら『黄金を抱いて翔べ』を選んでください。
合田の長編は刊行順に進み、『レディ・ジョーカー』は上中下、『晴子情歌』から始まる三部作は『太陽を曳く馬』で完結することを覚えておくと迷いません。
高村薫の外にも捜査と社会を描く本を探すならミステリ小説のおすすめ本、日本文学全体へ広げるなら日本文学のおすすめ本から次の一冊を選べます。
最初の一冊で惹かれたのが計画の精密さ、合田の捜査、歴史と言葉のどれかを確かめ、同じ系統の次作へ進みましょう。




















