質問者インド哲学に興味はあるけれど、難しそうで何から読めばいいかわからない…。専門書を買って、また挫折してしまうのは避けたい!
こんなお悩みを解決します。
こんばんは、「深夜2時の読書論」の管理人、とばりです。
難解なイメージのあるインド哲学ですが、実は現代人の抱える悩みやモヤモヤを解消するための「生きる知恵」がたくさん詰まっています。
正しい順番で本を選びさえすれば、あなたの人生観をガラッと変える強力なツールになるはずです。
本記事では、数ある関連書籍の中から、初心者が絶対に挫折しない入門書から、思想の深淵に触れる古典・専門書までを厳選して紹介します。



あなたの目的に合った一冊を見つけ、インドの叡智に触れてみてください。
- 迷ったらまずはこの3冊(初心者・入門編)
- 全体像を掴む:『はじめてのインド哲学』(立川武蔵)
- 核心を学ぶ:『インド哲学10講』(赤松明彦)
- 世界観を知る:『世界一シンプルな究極のインド哲学』(ある山なち也)
- 人生の指針を得る(古典・聖典編)
- 必読の聖典:『バガヴァッド・ギーター』(上村勝彦 訳)
- 深淵なる知恵:『ウパニシャッド』(佐保田鶴治)
- 特定のテーマを深める(専門・発展編)
- 論理と空:『中論』(ナーガールジュナ)
- 歴史と社会:『インド思想史』(中村元)
インド哲学の本の選び方【挫折しない3つのポイント】


インド哲学の本を選ぶ際に最も大切なことは、自分の知識レベルと目的に合った一冊を見極めることです。
いきなり難解な専門書に手を出すと、独特な用語や概念に圧倒され、挫折してしまう可能性が高くなります。
失敗せずに学びを深めるための選び方を、以下の3つのポイントに絞って解説します。
- 「新書」か「図解」で全体像を手に入れる
- 「聖典」は信頼できる翻訳・解説を選ぶ
- 自分の「知りたいテーマ」に合わせて選ぶ
「新書」か「図解」で全体像を手に入れる
初心者が最初の一冊を選ぶなら、新書や図解入りの入門書がおすすめです。
インド哲学には
- 梵我一如(ぼんがいちにょ):宇宙の根本原理と個人の本質は同一であるとする考え
- 輪廻(りんね):魂が生まれ変わりを繰り返すことと
いった特有の概念が多く登場します。
これらを体系的に整理された本で予習しておくと、後に原典を読んだときの理解度が格段に上がります。



まずは全体像という「地図」を手に入れるイメージで、平易な言葉で書かれた本から入るのが賢明です。
「聖典」は信頼できる翻訳・解説を選ぶ
『バガヴァッド・ギーター』や『ウパニシャッド』などの聖典を読む際は、翻訳者の選定が重要になります。
なぜなら、同じ原典でも、訳者によって読みやすさや解釈のニュアンスが大きく異なるからですね。
専門家による正しい翻訳や、現代語訳でわかりやすく解説されたものを選ぶようにしましょう。



特に初心者のうちは、注釈や解説が充実している書籍を選ぶと、時代背景や用語の意味も同時に補えるため理解が進みます。
自分の「知りたいテーマ」に合わせて選ぶ
インド哲学と一口に言っても、論理的な思考を重視する学派から、実践的な生き方を説く教えまで多岐にわたります。
「論理的に物事を考えたい」なら仏教哲学の中観派などを扱った本が適していますし、「人生の悩みを解決したい」ならヒンドゥー教の聖典が役立ちます。
自分が今抱えている問いや関心に合わせて本を選ぶことで、読書から得られる気づきはより深いものになるはずです。
【超入門】初心者におすすめのインド哲学本4選
インド哲学の世界へ初めて足を踏み入れる方に向けて、専門知識がなくても読み通せる入門書を4冊厳選しました。
まずはこれらの本で全体像や基本的な考え方に触れ、インド哲学の面白さを体感してください。
- 『はじめてのインド哲学(講談社現代新書)』(立川武蔵)
- 『インド哲学10講(岩波新書)』(赤松明彦)
- 『世界一シンプルな究極のインド哲学』(ある山なち也)
- 『史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち(河出文庫)』(飲茶)
『はじめてのインド哲学(講談社現代新書)』(立川武蔵)
インド哲学を学ぶなら、最初に手に取るべき一冊として多くの専門家が推奨するロングセラーです。
著者の立川武蔵氏は、インド哲学の核心にある「自己と宇宙の同一性(梵我一如)」というテーマを軸に解説しています。
本書は、ウパニシャッド哲学から仏教、ヒンドゥー教への変遷を時系列で追える構成になっています。
それぞれの思想がどのように影響し合って生まれたのかを、歴史的な流れの中で理解できるでしょう。
難解な用語も平易な言葉で言い換えられているため、予備知識ゼロの状態からでも無理なく読み進められます。
『インド哲学10講(岩波新書)』(赤松明彦)
歴史的な流れを追う通史形式ではなく、特定のテーマごとに講義形式で解説が進むスタイルが特徴の入門書です。
「言葉とは何か」「因果関係とはどういうことか」といった哲学的な問いかけが、各章のテーマになっています。
インドの思想家たちが何を問題にし、どう解決しようとしたのかを、読者は追体験できるでしょう。
各講義は独立しており、興味のある章から読み始めることも可能です。



現代的な視点からインド哲学の論理的な側面に光を当てているため、論理的・分析的な思考を好む読者におすすめです。
『世界一シンプルな究極のインド哲学』(ある山なち也)
「とにかく挫折したくない」「活字が苦手」という方には、対話形式で進む本書が最適です。
登場人物たちのユーモラスなやり取りを通じて、インド哲学のエッセンスが自然と頭に入ってきます。
Kindleなどの電子書籍市場でも高い評価を得ており、多くの読者から支持されています。
内容は非常に噛み砕かれていますが、扱っているテーマは本格的です。



インド思想が到達した真理や世界観を、直感的に掴めるよう工夫が凝らされています。
『史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち(河出文庫)』(飲茶)
本書はインド哲学専門書ではありませんが、東洋哲学全体の中でインド思想の位置づけを把握するのに役立ちます。
著者の飲茶氏は、難解な哲学概念をエンターテインメントとして読ませる筆力に定評があります。
格闘漫画のような熱量で思想家たちのバトルを描き出しており、読む手が止まらなくなるでしょう。
特に、「悟り」に至るプロセスを段階的に解説したパートは秀逸で、思考の道筋が明確になります。
楽しみながらインド哲学の真髄に触れたい読者にとって、最良の入り口となるはずです。
【古典・聖典】人生観を揺さぶる必読のおすすめ本4選
インド哲学の神髄は、数千年の時を超えて読み継がれてきた古典や聖典の中にこそ宿っています。
現代人の抱える深い苦悩や迷いに対しても、これらの書物は根本的な解決の糸口を与えてくれるでしょう。
- 『バガヴァッド・ギーターの世界(ちくま学芸文庫)』(上村勝彦)
- 『バガヴァッド・ギーター(岩波文庫)』(上村勝彦 訳)
- 『ウパニシャッド(平河出版社)』(佐保田鶴治)
- 『ブッダのことば スッタニパータ(岩波文庫)』(中村元 訳)
『バガヴァッド・ギーターの世界(ちくま学芸文庫)』(上村勝彦)
いきなり聖典の原典に挑むのが不安な方は、まずこの解説書から読み始めることを強く推奨します。
著者の上村勝彦氏は、サンスクリット文学の第一人者であり、難解な教えを現代的な文脈で噛み砕いて解説しています。
本書の核となる「カルマ・ヨガ」は、行為の結果に執着せず、ただ為すべきことを為すという教えです。
結果ばかりを気にして疲弊してしまう現代人にとって、この思想は心の重荷を下ろすための処方箋となるでしょう。
『バガヴァッド・ギーター(岩波文庫)』(上村勝彦 訳)
解説書で概要を掴んだ後は、ぜひ原典である『バガヴァッド・ギーター』の言葉に直接触れてみてください。
戦士アルジュナと神の化身クリシュナの対話形式で描かれており、物語として読み進められる点も魅力です。
ガンディーやオッペンハイマーなど、歴史上の偉人たちも本書を愛読し、人生の指針としていました。
自分の義務(ダルマ)を全うする生き方を説く本書は、迷いの中にいる読者を力強く鼓舞してくれるはずです。
『ウパニシャッド(平河出版社)』(佐保田鶴治)
インド哲学の根幹をなす「梵我一如(ぼんがいちにょ)」の思想を深く知りたいなら、ウパニシャッドは避けて通れません。
梵我一如とは、宇宙の根本原理であるブラフマンと、個人の本質であるアートマンが同一であるとする真理です。
佐保田鶴治氏の翻訳は、学術的な正確さと宗教的な情熱を兼ね備えており、神秘思想の深淵へと読者を誘います。



自我の殻を破り、より大きな世界との一体感を感じたいと願う人にとって、本書はかけがえのない一冊になります。
『ブッダのことば スッタニパータ(岩波文庫)』(中村元 訳)
仏教の開祖であるゴータマ・ブッダが、実際に語った言葉に最も近いとされる最古の経典です。
後世の複雑な教理とは異なり、人間ブッダの素朴で力強いメッセージが、詩のような形式で綴られています。
「犀(さい)の角のようにただ独り歩め」という有名な一節にある通り、孤独や執着からの自由がテーマです。
人間関係のしがらみや、尽きない欲望に疲れてしまった心に対し、清涼剤のような安らぎを与えてくれます。
【中級・専門】より深く学ぶためのインド思想・歴史書4選
入門書で基礎を掴んだ後は、より専門的な書籍でインド哲学の体系的な理解を目指しましょう。
歴史的な背景や論理的な構造を深く学ぶことで、断片的な知識が一つに繋がり、教養として定着します。
- 『インド思想史(岩波文庫 / 講談社学術文庫)』(中村元)
- 『中論(岩波文庫)』(ナーガールジュナ)
- 『存在の分析 アビダルマ(角川ソフィア文庫)』(桜部建・上山春平)
- 『マハーバーラタ入門(講談社現代新書)』(沖田瑞穂)
『インド思想史』(中村元)
インド哲学の第一人者である中村元氏による、決定版とも言える通史です。
古代の聖典から近代思想までの流れを、時系列で体系的に解説しています。
それぞれの哲学がどのように影響し合い、発展したのかを歴史の中で理解できるでしょう。
断片的な知識ではなく、文脈を含めて全体像を学びたい方に最適な一冊です。
『龍樹』(中村元)
「空(くう)」の論理を確立し、大乗仏教の父と称される龍樹(ナーガールジュナ)の思想に迫った名著です。
難解な原典『中論』の内容を、仏教学の泰斗である著者が噛み砕き、その哲学的な意義を解き明かします。
「空」とは虚無ではなく、あらゆるものが関係性の中で成り立っている(縁起)という希望の哲学だと気づけます。
論理的な思考で仏教の核心に触れたいと願う読者にとって、最良の導き手となるでしょう。
『存在の分析 アビダルマ(角川ソフィア文庫)』(桜部建・上山春平)
「アビダルマ」とは、世界や心を構成する要素を細かく分析する学問のことです。
人間の心理の動きや世界の仕組みを、緻密なシステムとして解明しようと試みます。
この分析を通じて、「私」という存在の曖昧さや正体を浮き彫りにしていきます。
後代の仏教哲学を深く理解するための、基礎教養として読んでおくべき一冊です。
『マハーバーラタ入門(講談社現代新書)』(沖田瑞穂)
インド哲学を深く知るには、その背景にある物語や神話の理解が欠かせません。
本書は、世界三大叙事詩の一つ『マハーバーラタ』の世界を平易に解説しています。
哲学書には登場しない、英雄や神々の生き生きとしたドラマを知ることができるでしょう。
難解な理屈よりも、物語を通じてインドの精神風土を感じたい方におすすめです。
【目的別】読む順番のおすすめロードマップ


インド哲学の書籍は数が多く、読む順番を間違えると難易度のギャップに苦しむことがあります。
ここでは、読者の目的に合わせた最適な学習ルートを提案します。
自分の関心に近いルートを選び、段階的に学びを深めていってください。
「生きる悩み」を軽くしたい人向けルート
日々のストレスや将来への不安を解消し、心を楽にしたい方におすすめの順番です。
- STEP1:『世界一シンプルな究極のインド哲学』
まずは対話形式で「思い込み」を外し、インド的な思考の柔軟さに触れます。 - STEP2:『バガヴァッド・ギーターの世界』
次に、行為の結果に執着しない生き方(カルマ・ヨガ)を学び、行動する勇気を得ます。 - STEP3:『ブッダのことば スッタニパータ』
最後に、ブッダの飾らない言葉に触れ、孤独や欲望との正しい付き合い方を心に刻みます。
「教養・哲学」として体系化したい人向けルート
論理的な思考力を鍛え、思想の歴史的な変遷を体系的に理解したい方におすすめの順番です。
- STEP1:『はじめてのインド哲学』
新書でインド哲学全体の見取り図(マップ)を手に入れ、主要な用語を把握します。 - STEP2:『インド思想史』
各時代の思想が生まれた背景や、学派同士の論争の歴史を詳しく学びます。 - STEP3:『龍樹』または『存在の分析 アビダルマ』
基礎知識を持った上で、空の論理や深層心理の分析といった高度な哲学領域へ踏み込みます。
まとめ:インド哲学を学ぶと世界の見方が変わる


インド哲学を学ぶことは、単に過去の知識を頭に詰め込むことではありません。
「私」という存在や「世界」の捉え方を根本から変え、より自由に生きるための実践的な知恵を得ることです。
執着を手放し、客観的に自分を見つめる視点を持つことで、現代社会の息苦しさから解放されるでしょう。
まずは今回紹介した中から、ピンときた一冊を手に取ってみてください。
数千年の時を超えた叡智が、あなたの人生をより豊かで軽やかなものにしてくれるはずです。
東洋思想のおすすめ本は下記で解説しているので、気になる方はどうぞ。





















