悩んでいる人カミュの本を読んでみたいけど、『異邦人』以外にどんな作品があるのかよくわからない…。小説とエッセイの違いも気になるし、何から手をつければいいんだろう。
カミュの著作は小説・エッセイ・戯曲と多岐にわたり、翻訳も新潮文庫・光文社古典新訳文庫・岩波文庫と複数あります。その気持ち、よくわかります。
この記事では、カミュのおすすめ本を13冊厳選しました。
本記事の内容は、下記のとおりです。
- カミュの代表的な小説:『異邦人』『ペスト』など不条理文学の名作を紹介
- エッセイ・思想書・戯曲:『シーシュポスの神話』『反抗的人間』などカミュの思想を読む
- 初心者向けの入門書・解説書:カミュを体系的に理解するためのガイド本
- 翻訳の選び方と読む順番:新潮文庫・光文社古典新訳文庫の違いも解説
この記事を読めば、あなたが読みたい本が絶対に見つかるはずです。
今回はカミュの著作を小説・エッセイ・戯曲・入門書の4ジャンルに整理し、難易度順に並べています。「不条理」の哲学に初めてふれる方でも、自分に合った1冊が見つかる構成です。
カミュはサルトルと並ぶ実存主義の旗手としても知られています。サルトルの思想に関心がある方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。


迷ったら、まずは下の診断を試してみてください。いくつかの質問に答えるだけで、あなたにぴったりの1冊が見つかります。
📚 カミュ入門診断
Q1. カミュの作品で読みたいジャンルは?
Q2. どんなテーマに関心がありますか?
Q3. 読書の経験は?
Q3. 読みたい雰囲気は?
Q2. どこから入りたいですか?
あなたにおすすめの一冊は…
カミュとは?不条理と反抗の作家


アルベール・カミュは、20世紀フランスを代表する作家・思想家です。
1913年、フランス領アルジェリアに生まれ、貧しい家庭で育ちました。
1942年に発表した小説『異邦人』とエッセイ『シーシュポスの神話』で文壇に衝撃を与え、1957年にはノーベル文学賞を受賞しています。
カミュの著作を理解するうえで欠かせないのが、「不条理三部作」と「反抗三部作」というふたつの柱です。
- カミュの生涯とノーベル文学賞
- 不条理三部作と反抗三部作
カミュの生涯とノーベル文学賞
カミュは1歳で父を第一次世界大戦で失い、耳の不自由な母とアルジェリアで暮らしました。
アルジェ大学で哲学を学びながら劇団を主宰し、ジャーナリストとしても活動しています。
第二次世界大戦中にはレジスタンス紙『コンバ』の編集長を務め、戦後のフランス知識人のなかで独自の位置を占めました。
1957年、44歳でノーベル文学賞を受賞。当時、史上2番目の若さでの受賞でした。
しかし1960年、自動車事故により46歳で急逝します。鞄のなかには未完の自伝的小説『最初の人間』の原稿がありました。
不条理三部作と反抗三部作
カミュの著作は、大きく2つのサイクルに分類されます。
不条理三部作は、人生に意味がないという「不条理」のテーマを扱ったグループです。
- 小説『異邦人』
- エッセイ『シーシュポスの神話』
- 戯曲『カリギュラ』
の3作がこれにあたります。
反抗三部作は、不条理を認識したうえで人間がどう生きるかを問います。
- 小説『ペスト』
- エッセイ『反抗的人間』
- 戯曲『正義の人びと』
で構成されています。
不条理の認識から反抗の実践へ。この流れを意識して読むと、カミュの思想の全体像がつかみやすくなります。
カミュは実存主義の枠組みで語られることも多いジャンルです。実存主義の思想に関心がある方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。


カミュのおすすめ小説5選


まずはカミュの小説から紹介します。不条理文学の原点『異邦人』から、未完の遺作『最初の人間』まで、小説5作品を難易度順に並べました。
- 『異邦人』(新潮文庫)
- 『ペスト』(新潮文庫)
- 『転落』(新潮文庫)
- 『幸福な死』(新潮文庫)
- 『最初の人間』(新潮文庫)
『異邦人』(新潮文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 1954年 | 143ページ | 初心者向け |
カミュのデビュー作にして、不条理文学の金字塔です。
主人公ムルソーは、母の死を知らされても涙を流しません。葬儀の翌日に海水浴を楽しみ、恋人と映画を観ます。やがて彼はアラブ人を射殺し、法廷でその動機を「太陽が眩しかったから」と語ります。
わずか143ページの薄い文庫本ですが、読後の衝撃は計り知れません。社会が求める「正しい感情」を持たない人間は、それだけで罰せられるのか。カミュが突きつけた問いは、80年以上たったいまも色褪せていません。
窪田啓作による翻訳は半世紀以上読みつがれてきた定訳です。カミュを初めて読むなら、まずこの1冊から。
カミュ入門の定番であり、海外文学の入口としてもおすすめです。読書メーター登録数15,000超の名作です。
『ペスト』(新潮文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 1952年 | 384ページ | 初心者向け |
アルジェリアの港町オランで突如ペストが発生し、街は封鎖されます。
医師リウーは感染拡大を食い止めるため、孤軍奮闘します。ボランティアのタルー、ジャーナリストのランベール、役人のグランといった人々が、それぞれの立場で不条理な災厄に立ち向かう姿が描かれます。
2020年のコロナ禍をきっかけに世界中で再びベストセラーとなり、日本でも売上が急増しました。パンデミック下の孤立、連帯、そして終わりの見えない戦い。70年以上前に書かれた物語が、現代の読者にもリアルに響きます。
新潮文庫の宮崎嶺雄訳のほか、光文社古典新訳文庫の中条省平訳、岩波文庫の三野博司訳も刊行されています。読みくらべるのもおすすめです。
『異邦人』が個人の不条理を描いたのに対し、『ペスト』は集団の連帯を描いた作品です。この2作を読めば、カミュの思想の核が見えてきます。
『転落』(新潮文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 1962年 | 377ページ | 中級者向け |
アムステルダムの薄暗いバーで、元パリの弁護士クラマンスが語りはじめます。
かつて正義の味方を自認していた彼は、ある夜、セーヌ河に身を投げた女性を見て見ぬふりをしました。その一瞬から、自分の「善人」としての仮面が剥がれはじめます。
全編が独白という独特の形式で、読者自身が告解を聞かされているような感覚に陥ります。カミュは偽善と自己欺瞞という、人間の普遍的な弱さを容赦なく暴いています。
SNSで他者を裁く現代において、「あなたも同じではないか」と問いかけるこの作品は、いまこそ読むべき1冊かもしれません。2023年には光文社古典新訳文庫からも前山悠による新訳が出ています。
『異邦人』とはまったく異なる文体で、カミュの別の顔が見える作品です。読了後にしばらく考えこんでしまう方が多いです。
『幸福な死』(新潮文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 1972年 | 295ページ | 初心者向け |
カミュが『異邦人』の前に執筆していた初期長編です。
主人公メルソーは、障害を持つ富豪ザグルーを殺害し、その金で自由な生活を手に入れます。アルジェリアの陽光のなか、彼は「幸福に死ぬ」ことを模索しはじめます。
カミュ自身は生前この作品を出版しませんでした。しかし『異邦人』の主人公ムルソーの原型はここにあり、カミュの創作過程を知るうえで欠かせない1冊です。
アルジェリアの地中海の風景が美しく描かれており、カミュ文学に特有の「向日性」を感じとれます。『異邦人』を読んでからこの作品に進むと、ふたりのメルソー/ムルソーの違いが際立って面白いです。
『異邦人』に衝撃を受けた方が、カミュの創作の「種」をたどるつもりで読むと、発見が多い作品です。
『最初の人間』(新潮文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2012年 | 358ページ | 初心者向け |
カミュが自動車事故で急逝した際、鞄のなかに未完の原稿がありました。それが本作です。
死後34年を経た1994年にフランスで出版され、世界中で話題となりました。主人公ジャック・コルムリは、フランス領アルジェリアで貧しくも温かい少年時代を過ごします。
不条理の哲学者として知られるカミュの、最も私的で、最も人間的な作品です。文盲の母、小学校の恩師ジェルマン先生、アルジェリアの強烈な太陽。哲学的な構えを脱いだカミュの生の文章が、ここにはあります。
推敲前の草稿のため文章は荒削りですが、それがかえって胸に迫ります。カミュの他の作品をすべて読んだ方にも、まだ読んでいない方にも、ぜひ手にとってほしい1冊です。
哲学や不条理が苦手な方にこそ読んでほしい作品です。カミュの原点がここにあります。
カミュのおすすめエッセイ・思想書3選


小説で描かれた不条理の世界を、思想として深く掘り下げた3作品を紹介します。『シーシュポスの神話』から『反抗的人間』へと読み進めると、カミュの哲学の発展がたどれます。
- 『シーシュポスの神話』(新潮文庫)
- 『反抗的人間』(新潮文庫)
- 『カリギュラ・誤解』(新潮文庫)
『シーシュポスの神話』(新潮文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 1969年 | 187ページ | 中級者向け |
「真に重大な哲学上の問題はひとつしかない。それは自殺である。」
カミュの哲学エッセイは、この強烈な一文で幕を開けます。1942年に『異邦人』と同時期に発表された本書は、不条理の哲学を体系的に論じた記念碑的作品です。
人生に意味がないと認識したとき、それでも生き続ける理由はあるのか。カミュはギリシャ神話のシーシュポスを引き合いに出します。神罰により永遠に岩を山頂へ運びつづけるシーシュポス。しかしカミュは「シーシュポスは幸福であると想像しなければならない」と結論づけます。
『異邦人』を読んでから本書に進むと、ムルソーの行動の哲学的な背景がクリアに見えてきます。
冒頭の一文は哲学史上もっとも有名な書き出しのひとつです。『異邦人』とセットで読むと理解が深まります。
『反抗的人間』(新潮文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 1957年 | 431ページ | 上級者向け |
不条理を認識したうえで、人間はどう行動すべきか。カミュが「反抗」の概念を全面展開した哲学エッセイです。
1951年の出版直後、サルトルとの激しい論争を引き起こしたことでも知られています。サルトルが革命を支持したのに対し、カミュは暴力を伴う革命を批判し、個人の「反抗」にこそ人間の尊厳があると主張しました。
431ページの大著で、読みこなすには覚悟が要ります。しかし「反抗する、ゆえにわれわれは存在する」という有名なテーゼは、デカルトの「われ思う、ゆえにわれあり」をカミュが書き換えたものとして、思想史的にも重要です。
『ペスト』で描かれたリウー医師の行動原理が、この1冊に凝縮されています。
カミュの著作のなかでもっとも難度が高い作品です。『ペスト』と『シーシュポスの神話』を読んでから挑戦するのがおすすめです。
『カリギュラ・誤解』(新潮文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 1971年 | 251ページ | 中級者向け |
ローマ皇帝カリギュラは、愛する妹ドリュシラの死をきっかけに、世界の不条理に目覚めます。
彼は「月がほしい」と言い放ち、人間の生に意味がないことを証明するかのように暴虐の限りを尽くします。側近のケレアは、カリギュラの論理に一定の理解を示しながらも、暗殺を計画しはじめます。
不条理を認識した人間が、その論理を極限まで推し進めるとどうなるか。カミュは戯曲という形式でその問いに正面から向き合いました。1944年にパリで初演され、衝撃を与えた作品です。
併録されている『誤解』も、母と息子の悲劇的なすれ違いを描いた不条理劇です。2作を読みくらべると、カミュの劇作家としての力量がよくわかります。
小説やエッセイとは異なるカミュの一面が見える作品です。戯曲を読みなれていない方でも、会話劇なのでテンポよく読めます。
カミュの隠れた名作2選


代表作の陰に隠れがちですが、カミュの魅力をさらに深く知るための2冊を紹介します。
- 『追放と王国』(新潮文庫)
- 井上正『人と思想 167 アルベール=カミュ』(清水書院)
『追放と王国』(新潮文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 1962年 | 377ページ | 中級者向け |
カミュが生前最後に刊行した短編集です。6つの物語からなり、アルジェリアや南米を舞台に、不条理な現実のなかで生きる人間たちが描かれます。
なかでも「客」は、アルジェリアの山中で教師がアラブ人の囚人を護送するよう命じられる物語です。どちらを選んでも裏切りになる状況で、人間はどう行動するのか。カミュが生涯追い続けたテーマが、短編という凝縮された形で結晶しています。
「ヨナ、あるいは仕事中の画家」は、成功した画家が周囲の期待に押しつぶされていく姿を描き、芸術家の孤独をユーモラスに浮かび上がらせます。
新潮文庫では『転落・追放と王国』として1冊にまとめられています。『転落』とあわせて読めるのも便利です。
長編を読む時間がないときにぴったりの1冊です。短編ならではの切れ味が味わえます。
井上正『人と思想 167 アルベール=カミュ』(清水書院)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2016年 | 240ページ | 初心者向け |
清水書院の「人と思想」シリーズは、哲学者や思想家の生涯と思想を体系的にまとめた入門定番シリーズです。
本書では、カミュの生い立ちからノーベル文学賞受賞、そして急逝までをたどりながら、各著作がどのような時代背景のなかで書かれたかを丁寧に解説しています。
カミュの作品を個別に読む前に全体像をつかみたい方、あるいは読了後に知識を整理したい方にとって、手元に置いておきたい1冊です。
カミュの全体像を短時間でつかみたい方に最適な入門書です。作品を読む前のガイドとしても、読後のまとめとしても使えます。
カミュの入門書・解説書おすすめ3選


カミュの作品を読む前に、あるいは読んだあとに手にとりたい解説書を3冊紹介します。どれもカミュ研究の第一人者による著作です。
- 中条省平『NHK「100分de名著」ブックス カミュ ペスト』(NHK出版)
- 三野博司『アルベール・カミュ 生きることへの愛』(岩波新書)
- 中条省平『カミュ伝』(集英社)
中条省平『NHK「100分de名著」ブックス カミュ ペスト』(NHK出版)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2020年 | 154ページ | 入門 |
NHKの人気番組「100分de名著」のテキストを書籍化したものです。
フランス文学者の中条省平が、『ペスト』を4回のレクチャーでわかりやすく読み解きます。100ページ強のコンパクトな分量で、カミュの思想の核心に迫れるのが最大の強みです。
カミュ文学に流れる「向日性」、つまり不条理のなかにあっても太陽や海に救いを見出すカミュ独特の姿勢についても解説されています。
『ペスト』を読む前の予習にも、読了後の復習にも使えます。カミュに少しでも興味がある方は、まずこの1冊から入ると、そのあとの読書がぐっと楽になります。
カミュの入門書として、もっともハードルが低い1冊です。テレビ番組をベースにしているので、語り口がとてもやさしいです。
三野博司『アルベール・カミュ 生きることへの愛』(岩波新書)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2024年 | 203ページ | 初心者向け |
2024年に刊行された最新のカミュ入門書です。
著者の三野博司は岩波文庫版『ペスト』の翻訳者でもある、日本のカミュ研究の第一人者です。本書では、カミュの半生をたどりながら、従来の「不条理」「反抗」に加え、「愛」という第三の柱があったことを新たに提示しています。
カミュの思想を「不条理」と「反抗」だけで理解すると、どこか暗く厳めしいイメージになりがちです。しかし三野の読解を通じて、カミュの作品に流れるあたたかな人間肯定の視線が浮かび上がってきます。
岩波新書らしいコンパクトな分量で、カミュの新しい全体像を知ることができます。
2024年刊行の最新研究を反映した入門書です。カミュの「暗い」イメージが変わる1冊です。
中条省平『カミュ伝』(集英社)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2021年 | 190ページ | 中級者向け |
中条省平による本格的なカミュの評伝です。
アルジェリアの幼少期からノーベル文学賞受賞、そして交通事故による急逝まで、カミュの生涯を年代順にたどりながら、各作品がどのような思想的・政治的文脈のなかで生まれたかを論じています。
とりわけ『反抗的人間』をめぐるサルトルとの論争については、両者の立場の違いを丁寧に解きほぐしており、背景知識がなくても理解できます。
カミュの主要作品を一通り読んだあとに手にとると、バラバラだった知識がひとつの線でつながる感覚があります。
カミュの著作をいくつか読んだ方が、次のステップとして手にとるのにぴったりの評伝です。
カミュの3つのキーワードで読み解く不条理の世界


カミュの思想は「不条理」「反抗」「愛」という3つのキーワードで整理できます。それぞれの概念がどの作品と結びついているかを見ていきましょう。
不条理と異邦人・シーシュポスの神話
カミュの出発点は「不条理」の認識です。
人間は意味を求めるのに、世界はそれに応えない。この断絶をカミュは「不条理」と呼びました。小説『異邦人』ではムルソーという人物を通じて不条理を体現し、エッセイ『シーシュポスの神話』ではそれを哲学的に論じています。
「不条理だから死ぬべきか」という問いに対し、カミュは「否」と答えます。不条理を直視しながらもなお生きること。それがカミュの哲学の第一歩です。
反抗とペスト・反抗的人間
不条理を認識した人間は、次にどう行動するのか。カミュの答えは「反抗」でした。
『ペスト』のリウー医師は、ペストという不条理な災厄に対して、一人ひとりの命を救うことで反抗し続けます。『反抗的人間』では、この「反抗」の概念を歴史的・哲学的に掘り下げています。
カミュの言う「反抗」は、暴力的な革命とは異なります。個人の尊厳を守り、不正に対して「否」と言い続けること。それがカミュの考える反抗の核心です。
愛と最初の人間・生きることへの肯定
カミュ研究者の三野博司は、「不条理」「反抗」に続く第三の柱として「愛」を提示しています。
未完の遺作『最初の人間』には、アルジェリアの太陽のもとで育った少年の、母や恩師への静かな愛情が溢れています。不条理を認識し、反抗を実践したその先に、カミュは人間への深い愛をたたえていました。
不条理の絶望でもなく、反抗の厳しさでもなく、生きることそのものへの肯定。これがカミュの到達点だったのかもしれません。
カミュのおすすめ本についてのよくある質問


カミュの本に関してよく寄せられる質問にお答えします。
カミュの作品はどの順番で読めばいいですか?
まず『異邦人』から読むのがおすすめです。143ページと短く、カミュの世界観を最も手軽に体験できます。
次に『シーシュポスの神話』を読むと、『異邦人』の哲学的な背景が理解できます。そのあと『ペスト』に進めば、不条理から反抗へというカミュの思想の流れをたどれます。
入門書から入りたい方は、中条省平の『100分de名著 カミュ ペスト』がもっとも読みやすいです。
カミュとサルトルの違いは何ですか?
カミュとサルトルは、ともに20世紀フランスの知識人として実存主義の旗手と呼ばれました。しかし両者の思想には根本的な違いがあります。
サルトルは「人間は自由の刑に処されている」と説き、政治的なアンガージュマン(参加)を重視しました。一方、カミュは暴力を伴う革命を批判し、個人の「反抗」にこそ人間の尊厳があると考えました。
1952年の『反抗的人間』出版後、両者は公開書簡で激しく論争し、決裂しています。サルトルの思想に関心がある方は、サルトルのおすすめ本12選もあわせてご覧ください。
カミュの翻訳は新潮文庫と光文社古典新訳文庫のどちらがおすすめですか?
新潮文庫版は定訳として長く親しまれており、カミュの全主要作品がそろっています。まずは新潮文庫でそろえるのが手軽です。
光文社古典新訳文庫からは『ペスト』(中条省平訳)と『転落』(前山悠訳、2023年)が刊行されています。現代的な日本語で読みたい方や、翻訳を読みくらべたい方には光文社古典新訳文庫もおすすめです。
また岩波文庫からも三野博司訳の『ペスト』が出ており、訳者の専門的な注釈が充実しています。
カミュの作品で映画化されたものはありますか?
『異邦人』は1967年にルキノ・ヴィスコンティ監督、マルチェロ・マストロヤンニ主演で映画化されています。
また『ペスト』は1992年にルイス・プエンソ監督により映画化されました。原作の舞台をアルジェリアから南米に移した自由な翻案です。
戯曲『カリギュラ』は舞台作品として世界各地で繰り返し上演されており、日本でも蜷川幸雄演出の公演が話題になりました。
本をお得に効率よくインプットするコツ2選


本をお得に読みたいなら、以下の2つのサービスが便利です。
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まとめ


カミュのおすすめ本13冊を紹介しました。最後に、迷ったときのための早見表をまとめます。
| こんな方に | おすすめの1冊 | 難易度 |
|---|---|---|
| 初めてカミュを読む | 『異邦人』 | |
| 連帯と反抗のドラマを読みたい | 『ペスト』 | |
| カミュの思想を体系的に知りたい | 『シーシュポスの神話』 | |
| やさしい解説書から入りたい | 『100分de名著 カミュ ペスト』 | |
| 最新の研究をふまえた入門書 | 『カミュ 生きることへの愛』 | |
| 心理の深みに踏みこみたい | 『転落』 |
カミュの文学には、不条理を見つめながらもなお生きることを肯定する力があります。
アルジェリアの太陽と地中海の風を背景に、カミュは人間の弱さと強さの両方を描き続けました。
気になる1冊が見つかったら、ぜひ手にとってみてください。


















