司馬遼太郎は幕末、戦国、明治、紀行まで長編が多く、初心者がどの時代から読むか迷いやすい作家です。
この記事では司馬遼太郎のおすすめ20冊を、知名度、読みやすさ、歴史の流れをつかみやすい順でランキングにしました。
『燃えよ剣』『竜馬がゆく』『坂の上の雲』から入り、戦国、明治、紀行・評論へ進みます。
上位から読むと、人物小説の面白さから日本史を横断する読み方ができます。
ここからは、司馬遼太郎の本を初めて読む人が入りやすく、代表作から関心を広げやすい順に20冊を紹介します。
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1位:『燃えよ剣 上』(司馬遼太郎)
『燃えよ剣』は、新選組副長・土方歳三の生涯を描いた、司馬遼太郎の代表作のひとつです。
多摩の百姓出身でありながら剣に生きた土方が、京都・近藤勇との出会いから函館・五稜郭の戦いまで駆け抜けた物語が描かれます。
新選組ものの定番でありながら、組織と個人の生き方を骨太に描く力強い文章で、初めて司馬作品に触れる方にも入りやすい一冊です。
上下巻構成の長編ですが、章ごとのテンポがよく、司馬作品の中では特に「ページが進む」タイプの読み心地です。
2位:『竜馬がゆく 一』(司馬遼太郎)
『竜馬がゆく』は、坂本龍馬を主人公にした司馬遼太郎の大河小説で、全8巻の長編シリーズです。
土佐の郷士・龍馬が脱藩し、勝海舟との出会いを経て、薩長同盟・大政奉還へと走る幕末の激動が描かれます。
現代に伝わる「坂本龍馬像」を広く定着させた一冊として知られ、ビジネス書・人生論としても読まれてきた長編です。
全8巻と分量があるため、「気軽に最初の1冊」というよりは、腰を据えて司馬作品を読みたい方向けの代表作です。
3位:『坂の上の雲 一』(司馬遼太郎)
『坂の上の雲』は、明治の日本を秋山好古・真之兄弟と正岡子規の視点から描いた、司馬遼太郎の代表的な大河小説です。
松山の若者たちが東京の学問・軍・俳壇に進み、やがて日露戦争へと至るまでの明治日本の歩みが、全8巻にわたって描かれます。
NHKでスペシャルドラマ化された人気作で、原作の方が秋山兄弟や子規の人物像と当時の社会背景が丁寧に描かれています。
全8巻と分量があるため、「気軽に最初の1冊」というよりは、明治史を腰を据えて学びたい方向けの代表作です。
4位:『関ヶ原 上』(司馬遼太郎)
『関ヶ原』は、天下分け目の合戦・関ヶ原を、石田三成の視点から描いた長編です。
豊臣秀吉の死後、徳川家康と石田三成のあいだで動いていく天下取りの駆け引きが、3巻にわたって描かれます。
東軍・西軍それぞれの武将の心情が丁寧に描かれており、関ヶ原合戦をいちばん理解しやすい小説として知られます。
岡田准一・有村架純主演で映画化されており、合戦の流れを掴むうえで原作の予習・復習にも向きます。
5位:『国盗り物語 一』(司馬遼太郎)
『国盗り物語』は、斎藤道三と織田信長という「下克上」の主役2人を描いた戦国大河です。
前半は美濃を盗った道三、後半はその志を継いだ信長の物語として、戦国前半の時代のうねりが描かれます。
司馬作品のなかでもエンタメ性が高く、戦国時代の躍動感をまっすぐ味わえる一冊です。
全4巻の構成ですが、章のテンポがよく、戦国小説を読み慣れていない方でも読み進めやすい長編です。
6位:『峠 上』(司馬遼太郎)
『峠』は、戊辰戦争で長岡藩を率いた家老・河井継之助を描いた長編です。
幕末の地方藩で「武装中立」を志した継之助が、北越戊辰戦争という悲劇に向かう過程が3巻にわたって描かれます。
中央の幕末ものとは違い、地方藩のリーダーが「降伏も抗戦もせず生き残ろうとした」道筋が、緊張感をもって描かれます。
役所広司主演で映画化されており、原作と映像を見比べる楽しみもある一冊です。
7位:『新選組血風録 新装版』(司馬遼太郎)
『新選組血風録』は、新選組の隊士たちにスポットを当てた司馬遼太郎の短編集です。
近藤・土方・沖田だけでなく、影に隠れた隊士や脱走者にまで光を当て、それぞれの「血風」の瞬間が短編で描かれます。
1編あたり20〜40ページほどなので、長編にいきなり踏み込むのは重いという方の入り口に向いています。
本記事では入手しやすい角川文庫の新装版を採用しています(同作は中公文庫版でも長く読み継がれてきました)。
8位:『最後の将軍 徳川慶喜』(司馬遼太郎)
『最後の将軍 徳川慶喜』は、最後の征夷大将軍・徳川慶喜の生涯を1巻で描いた評伝小説です。
御三卿・一橋家の若き慶喜が、徳川宗家を継ぎ、大政奉還を経て恭順を選び、晩年を静岡で過ごすまでが描かれます。
幕末ものの中でも珍しく「徳川側」を主役に据えた一冊で、長編とは違うコンパクトな分量で読めます。
司馬作品の中では短い部類で、幕末入門の2冊目・3冊目としても入りやすい一冊です。
9位:『世に棲む日日 一』(司馬遼太郎)
『世に棲む日日』は、長州藩の吉田松陰と高杉晋作を主人公にした幕末長州篇の長編です。
松陰の松下村塾、高杉の上海体験から下関戦争・奇兵隊結成までが、4巻にわたって描かれます。
長州藩から見た幕末は、土佐や薩摩を中心にした幕末ものとは異なる「変革の温度」があり、新鮮に読めます。
吉田松陰の章と高杉晋作の章で大きく筆致が変わるため、ひとつの作品で2人の人物像を立体的に追える構成です。
10位:『花神 上』(司馬遼太郎)
『花神』は、長州藩の医学者から軍事の天才となった大村益次郎を描いた長編です。
宇和島藩で開明的な藩主に仕え、戊辰戦争で官軍を勝利に導いた益次郎の生涯が、3巻にわたって描かれます。
「日本陸軍の父」と呼ばれる益次郎ですが、本作で描かれるのはどこまでも合理的な技術者としての姿です。
幕末ものとしては地味な人物が主役ですが、戊辰戦争の戦略を理解するうえで欠かせない一冊です。
11位:『功名が辻 一』(司馬遼太郎)
『功名が辻』は、土佐藩主・山内一豊と、賢妻として知られた千代の生涯を描いた戦国夫婦譚です。
立身を志す一豊と、それを支える千代の二人三脚が、戦国から関ヶ原・土佐入国までの長い時間軸で描かれます。
派手な合戦よりも、戦国を生きる「家のあり方」「夫婦の戦略」を読みたい方に向く一冊です。
NHK大河ドラマ化された人気作で、女性読者からの支持が厚い司馬作品としても知られます。
12位:『翔ぶが如く 一』(司馬遼太郎)
『翔ぶが如く』は、西郷隆盛・大久保利通・桐野利秋ら、明治初期の政治家を描いた全10巻の超大作です。
明治新政府の発足から、征韓論政変・西南戦争に至るまでの「明治の躍動と暗転」が、巨大なスケールで描かれます。
『竜馬がゆく』『坂の上の雲』と並ぶ司馬遼太郎の幕末・明治三大長編のひとつで、明治史の決定版と評されることの多い一冊です。
全10巻という分量で、長編大作に慣れた読者向けですが、読了したときの読後感はシリーズ屈指のスケールです。
13位:『街道をゆく 1』(司馬遼太郎)
『街道をゆく』は、司馬遼太郎が日本各地と海外を歩いた紀行文シリーズで、全43巻にわたる代表的なエッセイ群です。
歴史・地理・民俗・人物を縦横に語りながら、その土地ならではの物語が立ち上がってくる構成です。
第1巻では湖西のみち・甲州街道・長州路など、司馬の関心が地続きで広がっていく様子が読み取れます。
小説のような起承転結はありませんが、いつ開いてどこから読み始めても楽しめる「読み物として最も自由な」司馬作品です。
14位:『この国のかたち 一』(司馬遼太郎)
『この国のかたち』は、文藝春秋の巻頭随筆として連載された、司馬遼太郎晩年の日本論エッセイです。
「日本人とは何か」「この国がたどってきた歩み」を、歴史・宗教・思想の側面から短いエッセイで綴っていきます。
1エッセイあたりが短く、1日1編ずつ読み進めるのにちょうどよい構成です。
小説ではなく日本論エッセイなので、司馬作品の入り口としても、長編の合間の箸休めとしても使える一冊です。
15位:『菜の花の沖 一』(司馬遼太郎)
『菜の花の沖』は、江戸後期の廻船商人・高田屋嘉兵衛を主人公にした全6巻の長編です。
淡路島の貧しい青年から始まり、北方交易で大成功を収め、ロシアとの「ゴローニン事件」を解決するまでの嘉兵衛が描かれます。
幕末・明治より一段前の「江戸後期の海」を舞台にしているため、司馬作品のなかでも独特の海洋小説感があります。
司馬遼太郎の研究熱心さがよく出た一冊で、江戸海運や日露関係の知識も自然と身につきます。
16位:『播磨灘物語 1』(司馬遼太郎)
『播磨灘物語』は、織豊政権の名軍師・黒田官兵衛を主人公にした戦国長編です。
播磨の小寺家を支える若き官兵衛が、信長・秀吉に仕えていく過程と、有岡城の幽閉という試練が描かれます。
派手な合戦よりも、外交・知略・人心掌握といった「軍師の仕事」がじっくり描かれる一冊です。
大河ドラマ『軍師官兵衛』の主人公としても知られる人物で、ドラマから入って原作を読み比べる楽しみもあります。
17位:『殉死』(司馬遼太郎)
『殉死』は、明治の軍人・乃木希典を主人公にした、司馬遼太郎の異色の評伝小説です。
日露戦争で旅順攻略の苦戦を経験し、明治天皇崩御の際に妻と殉死した乃木の生涯が、簡潔な筆致で描かれます。
司馬作品としては珍しく、主人公を称えるよりも厳しい視線で見つめる構成で、ドキュメンタリーに近い読み心地です。
『坂の上の雲』と裏表の関係にあたる一冊で、明治の負の側面を考えるうえで貴重な作品です。
18位:『義経 上』(司馬遼太郎)
『義経』は、源義経の若き日から壇ノ浦・衣川までを描いた、司馬遼太郎の中世長編です。
鞍馬寺の遮那王時代から始まり、奥州藤原氏・平家追討・頼朝との対立を経て、衣川で散るまでの義経が描かれます。
幕末・戦国を多く書いた司馬作品の中では珍しい中世もので、源平合戦の流れをエンタメとして掴むのに向きます。
新装版の文春文庫で入手しやすく、上下巻のため幕末の大長編より気軽に手に取れます。
19位:『ひとびとの跫音 上』(司馬遼太郎)
『ひとびとの跫音』は、正岡子規の縁戚をめぐる、評伝と回想録の混ざり合った一冊です。
司馬遼太郎自身が知己だった正岡忠三郎(子規の養子の息子)の周辺人物を、ノンフィクション風に語る作品です。
歴史小説というよりエッセイ・人物記の色合いが強く、司馬作品の「裏側の素顔」を知れる隠れた名作として読まれています。
中公文庫から刊行されており、書店で見つけにくいこともある渋い一冊です。
20位:『王城の護衛者』(司馬遼太郎)
『王城の護衛者』は、幕末の脇役にスポットを当てた、司馬遼太郎の短編集です。
京都守護職・松平容保や、北海道を切り開いた松浦武四郎ら、表舞台では大きく扱われない人物の物語が並びます。
表題作「王城の護衛者」は、会津藩の悲劇を背負った容保の苦悩を簡潔に描いた佳作として知られます。
1編あたりが短く、幕末ものの長編に挑む前の足慣らしとしても、長編を読み切った後の余韻としても楽しめます。
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まとめ


| ランキング | 書名 | 著者 | ジャンル | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 『燃えよ剣 上』 | 司馬遼太郎 | 幕末 | |
| 2位 | 『竜馬がゆく 一』 | 司馬遼太郎 | 幕末 | |
| 3位 | 『坂の上の雲 一』 | 司馬遼太郎 | 明治・紀行 | |
| 4位 | 『関ヶ原 上』 | 司馬遼太郎 | 戦国 | |
| 5位 | 『国盗り物語 一』 | 司馬遼太郎 | 戦国 | |
| 6位 | 『峠 上』 | 司馬遼太郎 | 明治・紀行 | |
| 7位 | 『新選組血風録 新装版』 | 司馬遼太郎 | 幕末 | |
| 8位 | 『最後の将軍 徳川慶喜』 | 司馬遼太郎 | 幕末 | |
| 9位 | 『世に棲む日日 一』 | 司馬遼太郎 | 幕末 | |
| 10位 | 『花神 上』 | 司馬遼太郎 | 幕末 | |
| 11位 | 『功名が辻 一』 | 司馬遼太郎 | 戦国 | |
| 12位 | 『翔ぶが如く 一』 | 司馬遼太郎 | 明治・紀行 | |
| 13位 | 『街道をゆく 1』 | 司馬遼太郎 | 明治・紀行 | |
| 14位 | 『この国のかたち 一』 | 司馬遼太郎 | 明治・紀行 | |
| 15位 | 『菜の花の沖 一』 | 司馬遼太郎 | 明治・紀行 | |
| 16位 | 『播磨灘物語 1』 | 司馬遼太郎 | 戦国 | |
| 17位 | 『殉死』 | 司馬遼太郎 | 幕末 | |
| 18位 | 『義経 上』 | 司馬遼太郎 | 戦国 | |
| 19位 | 『ひとびとの跫音 上』 | 司馬遼太郎 | 明治・紀行 | |
| 20位 | 『王城の護衛者』 | 司馬遼太郎 | 幕末 |
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