悩んでいる人ジャレド・ダイアモンドの本が気になるけど、分厚いし難しそうだし、どれから読めばいいかわからない…。
ジャレド・ダイアモンドの本は人類史や進化生物学を横断し、上下巻の著作も多いため、どこから読むか迷うかもしれません。
この記事では、代表作、短く読める本、共著・編著を分けて9作品紹介します。文明の差を考えるなら『銃・病原菌・鉄』、短い入口なら『若い読者のための第三のチンパンジー』が候補です。
書籍ごとの問いと扱う事例を比べ、上下巻がある作品は一続きの著作として説明します。インタビュー集は本人の単著と区別して選べます。
文明の発展、環境と社会の持続、人間の進化のどれを知りたいかを決めると、自分に合う最初の作品と次の一冊が見えてきます。
同じく人類史をマクロに描いた著者に興味がある方は、ユヴァル・ノア・ハラリのおすすめ本11冊を紹介もあわせてどうぞ。
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今回紹介する本には、オーディブルやKindle+で無料で楽しめるものもあります。
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1位:『銃・病原菌・鉄』(草思社文庫)
なぜヨーロッパ人がアメリカ大陸やアフリカを征服し、その逆は起こらなかったのか。
この問いに対して、ダイアモンドは「銃」「病原菌」「鉄」という3つの直接的な要因を示したうえで、その背後にある地理的・環境的な条件こそが文明の格差を生んだと論じます。
栽培しやすい穀物や家畜化できる動物がいたかどうか、大陸の軸が東西に伸びていたかどうか。
こうした環境の違いが、食料生産の開始時期を左右し、やがて技術・政治・軍事力の差へと増幅されていったというのが本書の主張です。
2位:『文明崩壊』(草思社文庫)
『銃・病原菌・鉄』が「なぜ繁栄したのか」を問うたのに対し、本書は「なぜ滅んだのか」を問います。
イースター島、マヤ文明、ヴァイキングのグリーンランド入植地。
これらの文明がたどった崩壊の過程を丹念にたどりながら、環境破壊・気候変動・近隣社会との関係・政治的対応の4つの要因がどう絡み合ったかを分析します。
上下巻で800ページをこえる大著ですが、現代社会の環境問題を考えるうえで避けて通れない一冊です。
3位:『人間の性はなぜ奇妙に進化したのか』(草思社文庫)
なぜヒトは排卵を隠すのか。なぜ閉経があるのか。なぜ生殖と無関係なセックスを楽しむのか。
本書は、他の動物と比較したときに浮かび上がる人間の性行動の「奇妙さ」を進化生物学の視点から解き明かす一冊です。
もともとは『セックスはなぜ楽しいか』というタイトルで出版されていた本の改題版で、タイトルの印象に反して内容は極めて学術的かつ知的です。
ダイアモンドの本のなかでは1冊完結でページ数も少なく、最も読みやすい部類に入ります。
4位:『昨日までの世界』(日経ビジネス人文庫)
ニューギニアの伝統社会で30年以上フィールドワークを続けてきたダイアモンドが、「私たちは伝統社会から何を学べるか」を正面から問うた一冊です。
子育て、高齢者の扱い、紛争解決、食生活、宗教。
現代の工業化社会が「当たり前」と思っているしくみを、700万年にわたる人類史の文脈に置き直すと、まったく違った景色が見えてきます。
伝統社会をユートピアとして美化するのではなく、暴力や嬰児殺しといった厳しい現実にもふれています。
5位:『危機と人類』(日本経済新聞出版)
フィンランド、日本、チリ、インドネシア、ドイツ、オーストラリア、アメリカ。
7つの国家が直面した危機をケーススタディとして取り上げ、国はどうやって危機を乗りこえるのかを分析した著作です。
ダイアモンドは「国家の危機対応」を「個人の危機対応」になぞらえ、危機を認める力、柔軟に変化する力、他国の経験から学ぶ力といった要素が重要だと論じます。
明治維新における日本の選択的変化の分析は、日本人の読者にとって特に興味深い箇所でしょう。
6位:『若い読者のための第三のチンパンジー』(草思社文庫)
人間とチンパンジーは遺伝子の98.4%が同じ。
わずか1.6%の違いが、なぜ言語・芸術・農業・戦争というこれほど大きな差を生み出したのか。
ダイアモンドの処女作『人間はどこまでチンパンジーか?』を、若い読者にも読める平易な文体とイラスト付きに再編集した入門書です。
のちの代表作『銃・病原菌・鉄』や『文明崩壊』で展開されるテーマのエッセンスが、この1冊にぎゅっと凝縮されています。
7位:ジャレド・ダイアモンド(共著)『知の逆転』(NHK出版新書)
ダイアモンドのほか、ノーム・チョムスキー、オリバー・サックス、マービン・ミンスキーなど6人の知の巨人へのインタビューを収録した新書です。
ダイアモンドの章のタイトルは「文明の崩壊」。
『銃・病原菌・鉄』や『文明崩壊』で展開した思想のエッセンスが、対話形式でコンパクトにまとまっています。
チョムスキーに興味がある方は、チョムスキーのおすすめ本15選もあわせてどうぞ。
8位:ジャレド・ダイアモンド(共著)『コロナ後の世界』(文春新書)
コロナ・パンデミックを受けて緊急出版されたインタビュー集です。
ダイアモンドのほか、ポール・クルーグマン、リンダ・グラットン、スティーブン・ピンカーなど6人の知識人がパンデミック後の世界を語ります。
ダイアモンドは「21世紀は中国の時代にはならない」と述べ、民主主義体制への信頼を示しました。
新書1冊で208ページと薄く、各章が独立しているので気軽に手にとれます。
9位:ジャレド・ダイアモンド(編著)『歴史は実験できるのか』(慶應義塾大学出版会)
歴史学は実験ができない。だから科学にはなれない。
この定説に対してダイアモンドは、「自然実験」という方法論で歴史を科学的に分析できると主張します。
ハイチとドミニカ共和国はなぜ同じ島で経済格差が生まれたのか。
ポリネシアの島々ではなぜ政治組織がこれほど多様なのか。
ダイアモンド作品を読む順番ガイド


9冊を紹介しましたが、どの順番で読めばいいか迷う方も多いはずです。
ここでは、目的別のおすすめルートを整理しました。
- 初めての1冊は『銃・病原菌・鉄』がベスト
- 難易度別おすすめルート
初めての1冊は銃・病原菌・鉄がベスト
ダイアモンド作品の真ん中に座る本は、やはり『銃・病原菌・鉄』です。
上下巻で約670ページとボリュームはありますが、地理と環境が人類史を決めたという明快なテーゼが一本通っているので、読み進めやすい構成になっています。
ただし「いきなり上下巻は重い」と感じる方は、『若い読者のための第三のチンパンジー』から入るのもおすすめです。
ダイアモンドの思想のエッセンスが1冊にまとまっており、そのあとに『銃・病原菌・鉄』を読むと理解がぐっと深まります。
難易度別おすすめルート
| ルート | 1冊目 | 2冊目 | 3冊目 |
|---|---|---|---|
| 王道ルート | 銃・病原菌・鉄 | 文明崩壊 | 危機と人類 |
| 入門ルート | 第三のチンパンジー | 銃・病原菌・鉄 | 昨日までの世界 |
| 新書で気軽に | 知の逆転 | コロナ後の世界 | 銃・病原菌・鉄 |
どのルートを選んでも、最終的には『銃・病原菌・鉄』にたどり着く設計になっています。
自分の興味やペースに合ったルートで読み始めてみてください。
ジャレド・ダイアモンドのおすすめ本についてのよくある質問


暮らしや文化の違いをさらに学びたい場合は、文化人類学のおすすめ本にも進めます。
本をお得に効率よくインプットするコツ2選


ダイアモンドの著作は上下巻セットで買うと出費がかさみます。お得に読める2つの方法を紹介します。
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まとめ


ジャレド・ダイアモンドのおすすめ本9冊を紹介しました。
最後に、各書籍の特徴を一覧にまとめます。
| ランキング | 書名 | 著者等 | ジャンル | おすすめ度(読む目的) |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 『銃・病原菌・鉄』 | ジャレド・ダイアモンド | 文明史・進化・対話 | 代表作を読む人におすすめ |
| 2位 | 『文明崩壊』 | ジャレド・ダイアモンド | 文明史・進化・対話 | 代表作を読む人におすすめ |
| 3位 | 『人間の性はなぜ奇妙に進化したのか』 | ジャレド・ダイアモンド | 文明史・進化・対話 | 入門におすすめ |
| 4位 | 『昨日までの世界』 | ジャレド・ダイアモンド | 文明史・進化・対話 | 代表作を読む人におすすめ |
| 5位 | 『危機と人類』 | ジャレド・ダイアモンド | 文明史・進化・対話 | 代表作を読む人におすすめ |
| 6位 | 『若い読者のための第三のチンパンジー』 | ジャレド・ダイアモンド | 文明史・進化・対話 | 入門におすすめ |
| 7位 | 『知の逆転』 | 吉成真由美 インタビュー・編/ジャレド・ダイアモンドほか | 文明史・進化・対話 | 入門におすすめ |
| 8位 | 『コロナ後の世界』 | ジャレド・ダイアモンドほか | 文明史・進化・対話 | 入門におすすめ |
| 9位 | 『歴史は実験できるのか』 | ジャレド・ダイアモンドほか 編 | 文明史・進化・対話 | 研究を深める人におすすめ |
迷ったら、まず『銃・病原菌・鉄』を手にとってみてください。
「なぜこの世界はこうなっているのか」という問いが、読み終えたあとの景色を変えてくれるはずです。




















