質問者哲学の本を読んでみたいけれど、難しそうで何から手をつければいいかわからない。何から読んだらいいのかな?
この記事では、初心者におすすめの哲学書を37冊ご紹介します。
哲学は「難解な学問」と思われがちですが、自分に合ったレベルや興味のあるテーマから入れば、人生のモヤモヤを晴らし、思考力を劇的に高める「最強のツール」になります。
この記事では、哲学書選びで失敗したくないあなたのために、以下の切り口で本当におすすめできる哲学本を厳選しました。
- レベル・属性別:初心者、中高生、社会人
- 目的別:生きづらさの解消、ビジネスへの応用
- ジャンル別:古代から現代思想、東洋哲学まで
「これなら読めそう!」「面白そう!」と思える運命の1冊が、必ず見つかります。
失敗しない哲学本の選び方3つのポイント


書店に行くと、膨大な数の哲学書が並んでいて圧倒されてしまうかもしれません。
哲学書選びで最も大切なのは、自分のレベルや目的に合わない本を無理して読もうとしないことです。
ここでは、哲学初心者の方が「買ってよかった!」と思える本に出会うための、3つの選び方をご紹介します。
①:「漫画」や「子ども向け」から読みはじめる
まず最初にお伝えしたいのは、いきなり「原著」に手を出さないということです。
例えば、カントの『純粋理性批判』などの古典は、当時の専門家に向けて書かれたものであり、現代の私たちが予備知識なしに読むと、数ページで挫折してしまう可能性が高いでしょう。
そこでおすすめなのが、以下の形式の本から入ることです。
- 漫画版:視覚的に状況がわかるため、難解な概念もイメージしやすい
- ストーリー形式:小説のように物語として哲学の教えを追体験できる
- 中高生向けの本:専門用語を噛み砕いて解説しているため、大人が読んでもわかりやすい
まずは「哲学って面白い!」と感じることが、学びを続ける一番の秘訣です。
②:自分の知りたいこと、悩みから選ぶ
哲学は、単なる知識の暗記科目ではありません。
私たちの人生の課題を解決するための「思考の道具」です。
そのため、今自分が抱えている悩みや関心事に関連した本を選ぶと、驚くほど内容が頭に入ってきます。
- 人間関係に疲れている → アドラー心理学や対話論
- 仕事の理不尽さにモヤモヤする → 構造主義や正義論
- 生きる意味が見出せない → 実存主義
このように、自分事として読めるテーマから入ることで、哲学は「他人事の難しい話」から「自分のための教え」に変わります。
③:哲学の全体像をつかんでから各論を読む
哲学者の本を読む前に、「哲学史」がわかる入門書を読んでおくことを強くおすすめします。
なぜなら、哲学者の主張は、その前の時代の哲学者への「批判」や「乗り越え」として生まれることが多いからですね。
「なぜその思想が生まれたのか」という歴史的な文脈や全体の流れを知っておくと、難解に見える哲学書もパズルのピースがはまるように読み解きやすくなります。
【超入門】哲学初心者・挫折経験者におすすめの入門書3選


「哲学書を買ったけれど、積読になってしまった……」
そんな苦い経験がある方でも、絶対に挫折せず、最後まで面白く読める「超入門書」を3冊厳選しました。
まずはここから、哲学の世界への第一歩を踏み出してみましょう。
『史上最強の哲学入門』(飲茶)
「哲学って、こんなにエキサイティングだったの!?」と、いい意味でイメージを裏切ってくれる一冊です。
本書の最大の特徴は、哲学者たちの思想を「真理を巡る男たちの熱いバトル」として描いている点です。
「ソクラテス」や「デカルト」、「ニーチェ」といった偉人たちが、まるで格闘漫画のキャラクターのように次々と登場し、それぞれの「最強の真理」をぶつけ合います。
エンターテインメントとして楽しみながら、西洋哲学の歴史と主要な議論が頭に入る、まさに「最強」の入門書です。
東洋哲学編もあるので、合わせてどうぞ。
『ソフィーの世界』(ヨースタイン・ゴルデル)
世界で最も読まれている哲学入門小説といえば、間違いなくこの本でしょう。
ある日、14歳の少女ソフィーのもとに「あなたはだれ?」と書かれた不思議な手紙が届くところから物語は始まります。
ミステリー小説のようなドキドキする展開を追いかけながら、ソクラテスからサルトルに至るまでの西洋哲学の歴史を、ソフィーと一緒に旅することができます。
「ファンタジー小説が好き」「物語に没頭して学びたい」という方には、これ以上ないほどおすすめの良書です。
『哲学な日々』(野矢茂樹)
東京大学で哲学を教えていた野矢茂樹先生による、とても読みやすいエッセイ集です。
「散歩」や「お風呂」、「飼い猫とのやりとり」といった、私たちの日常にある何気ない風景から、深い哲学的思考が紡ぎ出されていきます。
肩肘張って「勉強するぞ!」と意気込む必要はありません。



「考えることって、こんなに自由で楽しいんだ」と、凝り固まった頭を優しくほぐしてくれるような一冊です。
中高生におすすめの哲学本2選


進路や将来、友人関係など、自分自身の生き方について悩み始める中高生にこそ読んでほしい本を厳選しました。
もちろん、かつて中高生だった大人が読んでも、ハッとするような気づきが得られる名著です。
『14歳からの哲学』(池田晶子)
タイトルに「14歳から」とありますが、これは「自分の頭で考え始める年齢」という意味が込められており、すべての年齢の人に向けられた本です。
「死んだらどうなるの?」「勉強しなきゃいけないの?」「好き嫌いってなに?」
著者の池田晶子さんが、学校では教えてくれないような根源的な問いを、優しく、けれど鋭く投げかけてきます。



知識を詰め込むのではなく、「考えるとはどういうことか」を体験させてくれる、考える力を養うための最良のテキストです。
『漫画 君たちはどう生きるか』(吉野源三郎)
1937年に出版されて以来、多くの人に読み継がれてきた吉野源三郎の名著が、漫画化によってさらに読みやすくなりました。
主人公の中学生「コペル君」が、学校での出来事や友人関係の悩みを通して、「人間としてどうあるべきか」を叔父さんと一緒に考えていく物語です。
いじめや貧困、勇気といったテーマに真摯に向き合うコペル君の姿に、きっと共感を覚えるはずです。



「立派な人間になるとは、どういうことだろう?」そんな問いを、読者の胸に熱く残してくれる一冊です。
社会人におすすめの哲学本2選


「仕事の成果が出ない」「キャリアの先行きが見えない」といった社会人の悩みにも、哲学は強力なヒントを与えてくれます。
ここでは、ビジネスの現場や働き方に直結する、実用性の高い2冊をご紹介します。
『武器になる哲学』(山口周)
「哲学なんて、役に立たない教養だ」と思っていませんか?
本書は、そんな固定観念を覆し、哲学をビジネスにおける「武器」として使いこなすための画期的な一冊です。
元・戦略コンサルタントの著者が、「ロゴス・エトス・パトス」や「パラダイムシフト」といった50の哲学・思想のキーコンセプトを、実際のビジネスシーンへの応用例とともに解説しています。
イノベーションを起こしたい人や、現状を打破する新しい視点が欲しいビジネスパーソンにとって、必読のバイブルとなるでしょう。
『論語と算盤』(渋沢栄一)
新一万円札の顔としても知られる「日本資本主義の父」、渋沢栄一による不朽の名著です。
タイトルの通り、「論語(道徳や倫理)」と「算盤(経済活動や利益)」は矛盾するものではなく、両立させなければならないという信念が貫かれています。
「不正をしてでも利益を上げればいいのか?」「社会貢献と会社の利益はどうバランスを取ればいいのか?」



そんな現代のビジネスパーソンが直面する葛藤に対し、「正しい道理で豊かになる」ための力強い指針を与えてくれます。
現代社会の「生きづらさ」に効くおすすめ哲学本3選


SNSでの比較、同調圧力、将来への漠然とした不安。
現代社会特有の「生きづらさ」を感じて消耗している方に、心の処方箋となるような3冊をご紹介します。
『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健)
日本中で大ベストセラーとなった、アドラー心理学の入門書です。
悩める青年と哲学者の対話形式で進むため、感情移入しながら一気に読むことができます。
本書の核心は「すべての悩みは対人関係の悩みである」という断言と、「課題の分離」という考え方です。
「他人がどう思うか」は他人の課題であり、自分がコントロールできるものではないと割り切ることで、承認欲求の呪縛から解き放たれ、心が驚くほど軽くなります。
『暇と退屈の倫理学』(國分功一郎)
「好きなことをして生きたい」「暇な時間が欲しい」と願いつつ、いざ暇ができるとスマホをいじって時間を潰してしまう。
そんな現代人の矛盾と、心の奥底にある空虚感に鋭く切り込んだ名著です。
「なぜ人は退屈を恐れ、気晴らしを求めるのか?」という問いを、パスカルやハイデガーといった哲学者の知見を借りながら、スリリングに解き明かしていきます。
「ただ生きること」の豊かさを再発見し、退屈との付き合い方が変わる一冊です。
『反応しない練習』(草薙龍瞬)
「ブッダの教え」を、宗教としてではなく、あくまで合理的な「心の使い方のメソッド」として解説した画期的な本です。
著者は、私たちの悩みの正体は「心の無駄な反応」にあると説きます。
他人の言葉にイラっとしたり、将来を悲観して落ち込んだりするのは、心が過剰に反応しているからです。



「反応しない」技術を身につけることで、SNSなどのノイズに振り回されず、クリアな心で生きられるようになります。
【時代・ジャンル別】哲学の歴史を旅する名著・ベストセラー本27選


哲学は、2500年以上の歴史を持つ壮大な知のバトンリレーです。
ここでは、哲学の歴史や主要なジャンルごとに、「まずは全体像をつかむための入門書」1冊と、「挑戦してみたい名著」2冊の計3冊を厳選してご紹介します。
興味のある時代やテーマから、哲学の旅に出かけてみましょう。
古代ギリシャ
西洋哲学の源流です。「世界は何でできているのか?」「よく生きるとはどういうことか?」といった根源的な問いがここから始まりました。
【入門書】『ギリシア哲学入門』(岩田靖夫)
ソクラテス以前の自然哲学者からプラトン、アリストテレスまで、古代ギリシャの知の巨人たちの思想をコンパクトに整理した一冊です。
誰が何を考えたのかという哲学の流れが明確になるため、個別の古典を読む前の予備知識として最適です。
まずは西洋哲学の全体像をざっくりと掴みたいという初学者は、この本から読み始めると良いでしょう。
【名著】『ソクラテスの弁明・クリトン』(プラトン)
若者への悪影響などの罪で死刑判決を受けたソクラテスが、法廷で自らの正義と信念を貫き通す姿を描いた、哲学の原点にして最高傑作です。
不正に対して不正で報いることを拒否し、死を恐れずに「善く生きる」ことを説く姿勢は、読む人の魂を揺さぶります。
対話篇という物語形式で書かれているため、初めて古典に挑戦する方にも強くおすすめします。
【名著】『ニコマコス倫理学』(アリストテレス)
「幸福とは何か」「人間にとっての善とは何か」を体系的に論じた、倫理学の古典的名著です。
極端を避けてバランスをとる「中庸(ちゅうよう)」の重要性や、幸福は一時的な快楽ではなく「徳(卓越性)」に基づく活動であるという主張は、現代の私たちの生き方にも通じます。
よりよく生きたいと願うすべての人に向けられた、実践的な哲学書です。
中世スコラ哲学
キリスト教の信仰と、ギリシャ哲学の理性をどう調和させるか。神と人間について深く思索された時代です。
【入門書】『中世哲学入門』(山内 志朗)
「暗黒時代」と思われがちな中世哲学ですが、実は現代の論理学や言語哲学にも通じる、緻密で熱い論理バトルが繰り広げられていたことを解説しています。
難解な神学論争をユーモアたっぷりの語り口で解きほぐしてくれるため、中世哲学に対する堅苦しいイメージが一変します。
キリスト教の知識がなくても哲学的な面白さを味わいたい人にぴったりの入門書です。
【名著】『告白』(アウグスティヌス)
古代末期から中世初期にかけて活躍し、キリスト教哲学の基礎を築いた教父アウグスティヌスによる自伝的著作です。
放蕩生活を送っていた若い頃の過ちや心の葛藤を赤裸々に告白し、神への信仰に目覚めていく魂の遍歴が綴られています。
宗教書としてだけでなく、一人の人間が自己の内面と深く向き合った文学作品としても評価されており、人生の悩みに直面している人におすすめです。
【名著】『神学大全』(トマス・アクィナス)
中世最大の哲学者トマス・アクィナスが、それまでの神学とアリストテレス哲学を統合し、キリスト教教理を体系化した記念碑的大著です。
膨大な問いとそれに対する反論、解答という形式で構成されており、スコラ哲学の頂点とされています。
全巻読破は至難の業ですが、解説書や抜粋版を通して、その圧倒的な論理構成と世界観に触れてみることは、知的な挑戦をしたい人にとって大きな意義があります。
近代哲学
神中心の世界から、人間中心の世界へ。「人間には何ができるのか(理性)」を徹底的に問い直した時代です。
【入門書】『カント入門』(石川文康)
哲学史上、最も難解と言われるカントの主著の内容を、驚くほど平易な言葉で解きほぐしてくれる良質な解説書です。
人間が認識できる限界はどこにあるのかというカントの革新的な問いを、専門用語の壁を取り払って理解することができます。
カントに挑戦したいけれど原著は難しすぎると感じている人にとって、最高の手引きとなるでしょう。
【名著】『方法序説』(デカルト)
「我思う、ゆえに我あり」という有名な言葉が登場する、近代哲学の父デカルトによる主著です。
あらゆるものを疑った末に、疑っている自分自身の存在だけは疑えないという真理に到達する思考のプロセスが、自伝的に語られています。
薄くて読みやすい文章でありながら、物事を論理的に考えるための基本ルールが詰まっているため、論理的思考力を鍛えたいビジネスパーソンにも最適です。
【名著】『純粋理性批判』(カント)
「人間は何を知りうるのか」という理性の限界を定めた、近代哲学における最大の分水嶺とされる書物です。
時間や空間とは何か、因果関係とは何かといった認識の枠組みを解明し、その後の哲学に計り知れない影響を与えました。
非常に読み応えのある難解な本ですが、人間の知性の仕組みを根本から理解したいと願う知的好奇心旺盛な方には、挑戦する価値のある一冊です。
現象学・実存哲学
客観的な分析よりも、「今ここを生きている私」の実感や、生きる意味の問い直しを重視した流れです。
現象学のおすすめ本は下記記事でもご紹介しています。


【入門書】『現象学入門』(竹田青嗣)
フッサールが提唱した難解な「現象学」を、「客観的な真実」ではなく「確信はいかにして成立するか」を問う学問として、極めてわかりやすく読み解いています。
主観と客観の対立を乗り越えるための思考法が示されており、哲学的なものの見方を根本から変えてくれる力があります。
物事の本質を自分の頭で考え抜きたい人にとって、最強の思考ツールとなるでしょう。
【名著】『実存主義とは何か』(サルトル)
「実存は本質に先立つ」という有名な定是を掲げ、人間は自由であり、自らの在り方を自分で選び取る責任があることを力強く説いた講演録です。
神や運命によって決められた役割などなく、私たちは孤独の中で決断し続けなければならないという厳しいメッセージは、同時に生きる勇気を与えてくれます。
自分の人生を主体的に生きたいと願うすべての人におすすめの名著です。
【名著】『夜と霧』(ヴィクトール・フランクル)
ナチスの強制収容所での過酷な体験を精神科医の視点から記録し、極限状態における人間の精神と「生きる意味」を問うた世界的ベストセラーです。
絶望的な状況下でも、人間は態度を決める自由を持ち、生きる意味を見出すことができるという希望のメッセージが込められています。
人生の苦難に直面している人や、生きる意味を見失いかけている人に、深い感動と気づきを与えてくれるでしょう。
構造主義・ポスト構造主義
「人間は自由ではなく、社会の構造(言葉やシステム)に支配されている」という視点から、近代的な人間観を批判しました。
構造主義のおすすめ本は下記記事でもご紹介しています。


【入門書】『寝ながら学べる構造主義』(内田樹)
レヴィ=ストロースなどの難解な構造主義の思想を、麻雀や武道といった身近な例え話を交えて驚くほどわかりやすく解説した入門書の金字塔です。
「私たちは自分が思っているほど自由ではなく、社会のシステムの中で思考している」という視点は、凝り固まった価値観を解きほぐしてくれます。
現代思想に興味があるけれど、どこから手をつけていいかわからない人に最初におすすめしたい一冊です。
【名著】『野生の思考』(クロード・レヴィ=ストロース)
未開社会の思考も科学的思考も等価であり、それぞれに論理的な構造があることを示して、西洋中心主義的な進歩史観に衝撃を与えた人類学の名著です。
「ブリコラージュ(あり合わせの道具でなんとかする)」という概念など、現代のビジネスや創造性にも通じるヒントが含まれています。
異なる文化や価値観をフラットに理解したい人や、知的な常識を揺さぶられる体験をしたい人に向いています。
【名著】『監獄の誕生』(ミシェル・フーコー)
近代的な刑罰や監獄システムがどのように生まれ、それが権力による人間管理の装置として機能しているかを歴史的に解き明かした書です。
「パノプティコン(一望監視施設)」という概念を用いて、現代社会が目に見えない監視と規律によって成り立っていることを暴き出します。
社会のシステムや権力のあり方に対して批判的な視座を持ちたい人にとって、刺激的な読書体験になるでしょう。
分析哲学・心の哲学
科学や論理学の手法を用いて、「言葉(言語)」や「心(意識)」の謎を明晰に解明しようとする現代哲学の主流です。
【入門書】『分析哲学講義』(青山拓央)
タイムトラベルや「私」の同一性など、SF的な思考実験も交えながら、論理と言語の謎を解き明かす非常に読みやすい講義録です。
難解な記号論理学を使わずに、言葉の意味や時間の流れといった不思議な問題をクリアに整理していきます。
論理的に考えることが好きな人や、言葉や心の謎について理詰めで考えてみたい人に最適な入門書です。
【名著】『論理哲学論考』(ウィトゲンシュタイン)
「語りえぬものについては沈黙しなければならない」という有名な結びの言葉で知られ、言語の限界を定めることで哲学のあり方を変えた天才による書です。
短い命題が番号順に並ぶ独特のスタイルで書かれており、世界と言語の関係を極限まで突き詰めた内容は、読む者を圧倒します。
難解ですが、論理と言語の美しさに触れたい人や、哲学の極北を知りたい人におすすめです。
下記の解説書を共に読むことを推奨します。
【名著】『コウモリであるとはどのようなことか』(トマス・ネーゲル)
物理的には脳の状態として説明できても、主観的な意識体験(クオリア)は還元できないという問題を提起し、心の哲学に大きな影響を与えた論文集です。
「コウモリの脳の状態はわかっても、コウモリとして世界を感じるとはどういうことかはわからない」という問いは、意識の謎の深さを浮き彫りにします。
AIや脳科学に関心があり、心とは何かを深く考えたい人に向いています。
東洋哲学・仏教哲学
西洋とは異なるアプローチで「悟り」や「世界との一体感」を目指す、東洋の智慧です。
東洋哲学のおすすめ本は下記記事でもご紹介しています。


【入門書】『史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち』(飲茶)
悟りとは何か?インド哲学から中国思想、日本の禅まで、東洋の「真理」への到達プロセスを、物語形式で熱く解説しています。
難解な東洋哲学の概念を、ヤムチャや範馬刃牙といった漫画のキャラクターに例えるなど、ユーモアたっぷりに説明しており、笑いながら本質を理解できます。
東洋思想に興味があるけれど、お堅い専門書は苦手という人にこれ以上ない入門書です。
【名著】『ブッダの言葉(スッタニパータ)』
最古の仏教経典の一つであり、後世の装飾が少ない、人間ブッダの生の声に近い教えが記されています。
「執着を捨て、犀(さい)の角のようにただ独り歩め」といったシンプルで力強い言葉の数々は、現代人の迷いも断ち切ってくれます。
宗教的な教義としてではなく、心を穏やかに保ち、自立して生きるための智恵として読みたい人におすすめです。
【名著】『老子』
「無為自然(あるがまま)」を説き、作為を捨てて自然の道(タオ)に従うことの重要性を説いたタオイズムの教典です。
競争社会で頑張りすぎて疲れてしまった心に、水のように柔らかく、しかし強い生き方のヒントを与えてくれます。
逆説的な格言が多く、読むたびに新しい発見があるため、長く手元に置いて人生の指針にしたい一冊です。
政治哲学・社会思想
「正義とは何か?」「自由とは何か?」「国家はどうあるべきか?」を考える分野です。
政治哲学のおすすめ本は下記記事でもご紹介しています。


【入門書】『正義の教室』(飲茶)
高校を舞台に、いじめや格差といった問題を巡って、「正義」についての主要な考え方(功利主義・自由主義・直観主義)を物語形式で学ぶことができます。
それぞれの正義には長所と短所があり、絶対的な正解はない中でどう合意形成していくかを考えさせられます。
倫理学や政治哲学の基本を楽しく学びたい中高生から大人まで、幅広くおすすめできる良書です。
【名著】『自由論』(J.S.ミル)
「他人に危害を加えない限り、個人の自由は最大限尊重されるべき」という「他者危害の原則」を提唱し、リベラリズムの基礎を築いた一冊です。
個性や言論の自由がなぜ社会にとって重要なのかを論理的に説いており、多様性が叫ばれる現代においてその意義はさらに増しています。
自由とは何か、社会と個人の関係はどうあるべきかを考えたい人にとっての必読書です。
【名著】『社会契約論』(ルソー)
「人は生まれながらにして自由であるが、いたるところで鎖につながれている」という書き出しで始まり、国民主権と民主主義の理念を説いた革命的な書物です。
個人の自由と共同体の秩序をどう両立させるかという「一般意志」の概念は、現代の政治システムを考える上でも重要な視点を提供してくれます。
民主主義の根幹を理解したい人におすすめの名著です。
美学・芸術哲学
「美とは何か?」「芸術にはどんな意味があるのか?」という感性の問題を論理的に考えます。
美学のおすすめ本は下記記事でもご紹介しています。


【入門書】『美学への招待』(佐々木健一)
なぜ人は美しいと感じるのか、芸術の定義とは何か、近代における芸術の役割とは何か。
美学における基本的な問題を、歴史的な背景も交えながら網羅的かつ丁寧に解説した入門書です。
絵画や音楽などの芸術作品を鑑賞する際に、より深い視点で味わいたいと考えている人や、感性という捉えどころのないものを言葉で理解したい人に向いています。
【名著】『悲劇の誕生』(ニーチェ)
若きニーチェが、ギリシャ悲劇の分析を通して、夢と秩序の「アポロン的」なものと、陶酔と破壊の「ディオニュソス的」なものの対立と融合から芸術を論じました。
単なる芸術論にとどまらず、生の肯定や文化のあり方を問う情熱的な哲学書でもあります。
芸術や音楽に深く関心がある人や、理屈だけではない生の根源的なエネルギーに触れたい人におすすめです。
【名著】『陰翳礼讃』(谷崎潤一郎)
文豪・谷崎潤一郎が、日本の建築や照明、食器などを通して、日本独自の「陰影」や「暗がり」の中に特有の美を見出した名エッセイです。
西洋の明るさを志向する文化とは対照的な、薄暗さの中に美を感じる日本人の感性を再発見させてくれます。
日本文化の深層に触れたい人や、デザインや建築などのクリエイティブな分野に関わる人にとって、必読のバイブルと言えるでしょう。
まとめ:まずは「面白そう」と思った1冊から哲学の扉を開こう


ここまで、初心者から上級者まで楽しめるおすすめの哲学本をご紹介してきました。
哲学書を選ぶときに、「最初から難しい本を読まなければならない」というルールはありません。
まずは、タイトルや装丁、あるいはパラパラとめくってみた感覚で「面白そう」「自分に合っていそう」と感じた1冊を手に取ってみてください。
- 漫画で全体像を掴むもよし
- 今の悩みに効きそうな本から入るもよし
- 憧れの哲学者の名著に挑戦するもよし
たった一冊の本との出会いが、あなたの世界の見方をガラリと変えてしまうかもしれません。
哲学という知の海原へ、まずは気軽な一歩を踏み出してみましょう。








