宗教について学びたいけれど、どこから手をつければいいかわからない。
そんなふうに感じたことはありませんか。
宗教学は、特定の信仰を深めるための学問ではありません。
キリスト教、イスラム教、仏教、ヒンドゥー教といった世界の宗教を、客観的に理解するための学問です。
この記事では、宗教学をはじめて学ぶ方から、大学レベルの体系的な知識を得たい方まで、目的別に10冊を厳選しました。
読み終えたとき、宗教というものの見え方がきっと変わっているはずです。
📖 あなたにぴったりの宗教学本診断
Q1. まず知りたいのはどちらですか?
Q2. どのくらいの深さで学びたいですか?
Q2. 読みやすさと深さ、どちらを優先しますか?
あなたにおすすめの一冊は…
宗教学の入門書おすすめ4選

宗教学を学ぶ最初の一歩は、「宗教とは何か」を客観的に考えるところから始まります。
信仰の中からではなく、外から宗教を観察する視点を身につけることが、宗教学の出発点です。
- 脇本平也『宗教学入門』:教義・儀礼・体験から宗教を体系的に学ぶ
- 島薗進『宗教学の名著30』:名著30冊で宗教学の全体像をつかむ
- 中村圭志『教養としての宗教入門』:8つの宗教を客観的に概観する
- 岸本英夫『宗教学』:宗教学に新しい体系を築いた古典的名著
脇本平也『宗教学入門』(講談社学術文庫)
宗教学とは何か。
この問いに真正面からこたえてくれるのが本書です。
著者の脇本平也氏は、宗教学の基本的なスタンスを三つに整理しています。
事実を客観的に扱うこと、宗教を人間の生活現象のひとつとして捉えること、そして複数の宗教を横断的に比較すること。
このシンプルな枠組みが、読者の頭を驚くほどクリアにしてくれます。
教義、儀礼、教団、体験という四つの構成要素にわけて宗教を分析する手法は、どんな宗教を学ぶときにも応用がききます。
文体はやさしく、宗教に関する予備知識がなくても読み進められます。
とばり宗教学の「教科書」を一冊だけ選ぶなら、迷わずこれ。迷ったらここから始めてください。
島薗進『宗教学の名著30』(ちくま新書)
宗教学にはどんな本があるのか。
その全体像を一望できるブックガイドが本書です。
著者の島薗進氏は、東京大学で宗教学を教えてきた第一人者。
哲学、歴史学、文学、社会学、心理学といった多様な分野から、宗教を理解するための30冊を厳選して紹介しています。
単なる書評ではなく、なぜ人間は宗教を必要としてきたのかという根本的な問いに導いてくれるのが魅力です。
新書サイズなので電車のなかでも読めます。
次に読む本を探している方にとっても、最良の道しるべになるはずです。



「宗教学って何を読めばいいの?」という疑問をもつすべての人におすすめしたい一冊です。
中村圭志『教養としての宗教入門』(中公新書)
日本人の多くは、自分を「無宗教」だと考えています。
そのぶん、世界の宗教がどのようなものかを知る機会が限られています。
本書は、そんな日本人に向けて書かれた宗教の教養書です。
前半で宗教学の視点を学び、後半ではユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教、ヒンドゥー教、儒教、道教、神道の8つの宗教を俯瞰します。
信仰をもたない立場から客観的に書かれているため、どの宗教の信者にも偏りなく読めるのが強みです。
宗教的儀式と文化的慣習のちがいについても丁寧に線引きされていて、ニュースや国際問題の背景を理解するのにも役立ちます。



「世界の宗教をひととおり知りたい」なら、この一冊で十分な教養が身につきます。
岸本英夫『宗教学』(大明堂)
1961年に初版が出版された、宗教学の古典的名著です。
東京大学の宗教学教授だった岸本英夫氏が、宗教学に新しい体系を打ち立てることをめざして書いた意欲作です。
専門的な内容でありながら、分かりやすい教養書であることを意識して書かれています。
宗教の本質を「聖なるもの」への人間の態度として捉える視点は、半世紀以上を経たいまも色あせていません。
2022年にはディスカヴァー・トゥエンティワンから電子書籍としても復刊されました。
入門書を読んだあとに手にとると、宗教学という学問の奥行きが一気に広がります。



半世紀を経ても読みつがれる名著。宗教学を本気で学びたい人に。
世界の宗教を知るおすすめ本3選


宗教学の理論を学んだら、つぎは個々の宗教についての知識を深めましょう。
世界の五大宗教を中心に、歴史や教義の全体像をつかめる本を紹介します。
- 櫻井義秀・平藤喜久子編『よくわかる宗教学』:最新研究を網羅した辞典的テキスト
- 出口治明『哲学と宗教全史』:3000年の思想史を一冊で俯瞰する
- 中村圭志『図解 世界5大宗教全史』:図解で五大宗教を一気に理解する
櫻井義秀・平藤喜久子編『よくわかる宗教学』(ミネルヴァ書房)
大学の宗教学テキストとしても使われている、本格的な一冊です。
見開き2ページで重要なキーワードをひとつずつ解説していく構成が特徴で、各項目をその分野の専門家が執筆しています。
古代の宗教から現代のスピリチュアリティまで、宗教学が扱う領域のほぼ全体をカバーしています。
通読してもいいですし、気になるキーワードから拾い読みしても構いません。
宗教文化士試験にも対応しているため、資格取得を考えている方にも適しています。



辞典としても使える一冊。手元に一冊あると、宗教に関する疑問がすぐに解消できます。
出口治明『哲学と宗教全史』(ダイヤモンド社)
3000年にわたる哲学と宗教の歴史を、一冊で見渡してしまう。
途方もない試みですが、著者の出口治明氏はそれを「わかりやすさ」で実現しました。
古代ギリシャの哲学者からイスラム教の成立、仏教の展開、そして現代の思想家まで、西洋と東洋を交互に語る構成が飽きさせません。
世界1200都市を訪れ、1万冊以上を読破したという著者の圧倒的な知識に裏打ちされた記述は、読むたびに新しい発見があります。
468ページの大著ですが、文章は平易で読みやすく、ビジネス書大賞2020特別賞も受賞しています。



分厚いけれど怖くない。哲学と宗教の歴史を一気に俯瞰できる、稀有な一冊です。


中村圭志『図解 世界5大宗教全史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
仏教、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、ヒンドゥー教。
世界の五大宗教の成り立ちから教義、宗派、戒律までを、豊富な図解とともに一冊でまとめた入門書です。
テキストだけでは理解しにくい宗教間の関係性や歴史的な流れが、図解によって直感的に把握できます。
「人がどのように生きようとしてきたか」という視点から宗教を捉えているのも、本書の魅力です。
宗教の知識がまったくない初心者にも、2024年には修訂新版が出ているので最新の情報でも学べます。



「まずは全体像をざっくり知りたい」という方には、この図解本が最適解です。
宗教と社会を考えるおすすめ本3選


宗教は個人の内面だけでなく、社会や文化とも深くむすびついています。
日本人の宗教観や、現代社会における宗教の役割について考える3冊を紹介します。
- 阿満利麿『日本人はなぜ無宗教なのか』:日本人の宗教観の深層に迫る
- 島薗進・奥山倫明編『いまを生きるための宗教学』:現代社会で宗教を考える
- マチュー・グランプレ『超図解・宗教』:インフォグラフィックで宗教を読み解く
阿満利麿『日本人はなぜ無宗教なのか』(ちくま新書)
日本人の多くは「自分は無宗教だ」と答えます。
けれども、初詣には行き、お盆にはお墓参りをし、クリスマスも祝う。
本書は、この矛盾の背景にある日本人の宗教意識を、歴史のなかからていねいに読み解いた一冊です。
著者の阿満利麿氏は、日本人が「無宗教」を標榜するようになった経緯を、近代化の過程にまでさかのぼって分析しています。
「無宗教」というのは信仰がないことではなく、むしろ独特の宗教的態度なのだという指摘には、はっとさせられます。
日本の宗教を考えるうえで、避けては通れない名著です。



「僕は無宗教だ」と思っている人にこそ読んでほしい。自分の中の宗教性に気づかされます。


島薗進・奥山倫明編『いまを生きるための宗教学』(丸善出版)
カルト問題、終末論、スピリチュアリティ。
現代社会がかかえる宗教をめぐる問題に、宗教学はどのように向き合えるのか。
本書は、2022年に刊行された比較的新しいテキストで、いまの時代に宗教を学ぶ意味を正面から問いかけています。
島薗進氏をはじめとする複数の研究者が、それぞれの専門領域から書き下ろした論考を収録。
古典的な入門書では扱いきれない現代的なトピックが充実しています。
入門書を読んだうえで、宗教学のいまを知りたい方に最適です。



宗教学を「いま」の問題として考えたい人にぴったり。2022年刊という新しさも強みです。
マチュー・グランプレ『超図解・宗教』(世界文化社)
インフォグラフィックで宗教を解説するという、ユニークなアプローチの一冊です。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、仏教を中心に、シク教、道教、神道にまでふれています。
文章を読むのが苦手な方でも、ビジュアルの力で宗教の全体像が頭に入ってきます。
客観的な視点で書かれているので、特定の宗教を肯定も否定もしていません。
短い時間で宗教の常識と本質をつかみたい方におすすめです。



本を読む時間がない人でも、この図解なら宗教の基本が一気にわかります。


本をお得に効率よくインプットするコツ2選


宗教学の本をもっと読みたいと思ったとき、すべてを購入するのは負担がおおきいですよね。
そこで、僕がふだん活用している2つのサービスを紹介します。
12万冊が耳で聴けるAudibleプレミアム


Audibleは、Amazonが提供するオーディオブックサービスです。
月額1,500円で12万冊以上が聴き放題になります。
出口治明『哲学と宗教全史』もAudible対応なので、通勤中に3000年の思想史を「聴く」こともできます。
30日間の無料体験もあるので、気になる方はまず試してみてください。
\ 12万冊以上の本を耳から聴ける! /
※クリックすると公式サイトに飛びます
500万冊が読み放題のKindle Unlimited


Kindle Unlimitedは、月額980円で500万冊以上の電子書籍が読み放題になるサービスです。
宗教学関連の書籍も対象に含まれていることがあります。
気になる本を気軽に試し読みできるので、自分に合う一冊を見つけるのに最適です。
\ 500万冊の電子書籍が読み放題 /
※クリックすると公式サイトに飛びます
宗教学の本を読む順番ガイド


最後に、今回紹介した10冊をどの順番で読むとよいか、ステップ別にまとめます。
| ステップ | 目的 | おすすめ本 |
|---|---|---|
| Step 1 | 宗教学の全体像をつかむ | 脇本平也『宗教学入門』 |
| Step 2 | 世界の宗教を概観する | 中村圭志『教養としての宗教入門』 |
| Step 3 | 名著のガイドで視野を広げる | 島薗進『宗教学の名著30』 |
| Step 4 | 日本人の宗教観を考える | 阿満利麿『日本人はなぜ無宗教なのか』 |
| Step 5 | 現代の宗教問題を学ぶ | 島薗進ほか『いまを生きるための宗教学』 |
まずは脇本平也『宗教学入門』で学問としての枠組みをつかみ、中村圭志『教養としての宗教入門』で世界の宗教の見取り図を手に入れるのが王道のルートです。
そこから先は、関心の方向に応じて自由に読み進めてください。
宗教学は、世界を理解するための教養そのものです。


まとめ


宗教学は、特定の信仰を深めるためではなく、人間と社会を理解するための学問です。
今回紹介した10冊は、そのための最良のガイドになる本ばかりです。
気になった一冊を手にとって、宗教という巨大なテーマに向き合ってみてください。
















