悩んでいる人ショーペンハウアーの本を読んでみたいけど、著作が多くてどれから手をつければいいかわからない…。
ショーペンハウアーは入門書の選び方を間違えると途中で挫折しやすい哲学者です。
主著の『意志と表象としての世界』はかなりの難書ですし、エッセイ集も複数の出版社から異なる翻訳で出ているため、どれから読めばいいのか迷うのは当然のことです。
この記事では、ショーペンハウアーのおすすめ本を入門書から主著まで12冊厳選しました。
本記事の内容は、下記のとおりです。
- 入門書から主著まで:難易度別に読む順番を解説
- 翻訳の選び方:光文社・岩波・新潮など出版社ごとの特徴を比較
- ペシミズムの基礎知識:読む前に知っておきたいキーワードを解説
- お得に読む方法:Audible・Kindle Unlimitedの対応状況
この記事を読めば、あなたが読みたい本が絶対に見つかるはずです。
今回はショーペンハウアーの著作だけでなく、解説書や名言集も含めて「読んだあとに思想の全体像がつかめる」ことを基準に選書しています。
ショーペンハウアーに強い影響を受けたニーチェのおすすめ本13選も合わせてどうぞ。
どの本から読むか迷ったら、下の診断で相性のいい一冊を見つけてください。
いくつかの質問に答えるだけで、あなたにぴったりの一冊がわかります。
📚 ショーペンハウアー入門診断
Q1. まずは何を知りたいですか?
Q2. 哲学書を読んだ経験は?
Q3. 原典と解説書、どちらが好みですか?
Q2. 今いちばん気になるテーマは?
あなたにおすすめの一冊は…
はじめてのショーペンハウアーにおすすめの入門書4選


ショーペンハウアーの入門としておすすめの4冊を紹介します。解説書から原典エッセイまで、どれも予備知識なしで読み始められます。
- 梅田孝太『今を生きる思想 ショーペンハウアー』(講談社現代新書)
- 『幸福について』(光文社古典新訳文庫)
- 『読書について』(光文社古典新訳文庫)
- 『自殺について 他四篇』(岩波文庫)
梅田孝太『今を生きる思想 ショーペンハウアー 欲望にまみれた世界を生き抜く』(講談社現代新書)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2022年 | 104ページ | 入門 |
ショーペンハウアーの哲学を初めて学ぶなら、まずこの一冊をおすすめします。
わずか104ページの新書でありながら、主著『意志と表象としての世界』のエッセンスを現代の言葉でかみ砕いて解説しています。
著者の梅田孝太氏はショーペンハウアー研究の専門家で、彼の思想がなぜ現代に通じるのかを丁寧にひもといています。
「欲望にまみれた世界をどう生き抜くか」というサブタイトルのとおり、単なる学説の紹介にとどまらず、実生活に引きつけた読み方ができる点が魅力です。
哲学書を読んだ経験がまったくない方でも、1時間ほどで読みきれる入門書です。
『幸福について』(光文社古典新訳文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2018年 | 314ページ | 入門〜初心者 |
ショーペンハウアーの著作の中でもっとも多く読まれている一冊です。
「真の幸福は外側の財産や名声ではなく、自分自身の内面にある」という主張を軸に、人間関係、健康、孤独、名誉など、人生のあらゆるテーマを切れ味鋭く論じています。
光文社古典新訳文庫版は鈴木芳子氏による翻訳で、現代の日本語として自然に読める点が初心者に向いています。
新潮文庫からも橋本文夫訳が出ていますが、格調高い訳文を求める方は新潮版、読みやすさを優先する方は光文社版を選ぶとよいでしょう。
ショーペンハウアーの思想に最初にふれるなら、この本がいちばん手にとりやすいです。
『読書について』(光文社古典新訳文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2013年 | 143ページ | 入門〜初心者 |
「読書とは他人にものを考えてもらうことである」。
冒頭のこの一文だけで、本との向き合い方が根っこから揺さぶられます。
ショーペンハウアーは多読を否定し、「読んだ内容を自分の頭で反芻し、熟慮してはじめて知識になる」と説いています。
143ページと薄く、「読書について」「著述と文体について」「思索について」の3篇を収録。
読書の量を追いかけがちな時代だからこそ、立ちどまって読む価値のある古典です。
「たくさん読んでいるのに自分の意見が出てこない」と感じたときに読んでほしい一冊です。
『自殺について 他四篇』(岩波文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2025年 | 120ページ | 初心者向け |
タイトルだけ見ると重たい印象を受けますが、中身は「生と死をめぐる哲学的エッセイ」です。
自殺を偽りの解決策として退けながらも、人間が生きることの苦しみと向き合う姿勢を120ページのなかで鮮やかに描いています。
2025年に岩波文庫から藤野寛氏による新訳が刊行されました。
従来の斎藤信治訳と比べて現代の読者に寄り添った訳文になっており、いま手にとるならこの新訳版がおすすめです。
生きることの意味を哲学の言葉で考えてみたい方に、最初の一冊として最適です。
人生論・幸福論を深めるショーペンハウアーの本3選


入門書を読み終えたら、もう一歩踏みこんだ人生論・幸福論に進みましょう。孤独、苦悩、男女論など、人間のリアルな姿をえぐるエッセイ集を3冊紹介します。
- 『孤独と人生』(白水Uブックス)
- 『存在と苦悩』(白水Uブックス)
- 『女性について』(角川ソフィア文庫)
『孤独と人生』(白水Uブックス)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2009年 | 344ページ | 初心者向け |
孤独を愛さない者は自由も愛していない。
ショーペンハウアーのこの言葉に象徴されるように、本書は孤独をネガティブなものではなく、精神の自由を守るために必要な条件として描いています。
他人と一緒にいる中でも自分の思索を保ち、退屈に振り回されない生き方とは何か。
SNSの反応に一喜一憂しがちな現代にこそ読まれるべき一冊でしょう。
ただし、内容的には新潮文庫の『幸福について』と重なる部分があります。訳者が異なるため読み比べは面白いですが、どちらか一方だけ読む場合は光文社版の『幸福について』を優先してください。
「ひとりの時間を大切にしたい」と感じている方にとって、背中を押してくれる名著です。
『存在と苦悩』(白水Uブックス)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2009年 | 292ページ | 初〜中級者向け |
「人間がすべての苦しみと悩みを地獄に追放したあとでは、天国にはただ退屈しか残らない」。
この鋭い警句に代表される本書は、主著『意志と表象としての世界』や『倫理学の二つの根本問題』から重要な章を抜き出した、日本独自のアンソロジーです。
音楽の形而上学、認識論、人生論、道徳論、芸術論と多彩なテーマを一冊でカバーしているため、ショーペンハウアーの思想を広く俯瞰したい方に適しています。
主著を読む前の下見として、あるいは忙しい方のダイジェストとして活用できます。
一冊でショーペンハウアーの思想領域を俯瞰できる、お得感のある一冊です。
『女性について』(角川ソフィア文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2012年 | 216ページ | 初心者向け |
ショーペンハウアーが「女性の敵」と呼ばれるきっかけになった、問題作です。
現代の視点で読むと明らかに偏った主張が目立ちますが、19世紀の哲学者がジェンダーをどう考えていたかを知る歴史資料としての価値があります。
収録作はほかに「自殺について」「騒音について」など10篇。
角川ソフィア文庫版では石井正氏の訳で読みやすくまとめられています。
「なぜこの主張が生まれたのか」を批判的に読む練習としても有益で、フェミニズムや現代思想に関心のある読者にはむしろ興味深い一冊でしょう。
賛否が分かれる本ですが、哲学者の思考のクセを知るうえで避けては通れない著作です。
ショーペンハウアーの主著と本格的な哲学書2選


入門書やエッセイを読み終え、ショーペンハウアーの思想にさらに踏みこみたくなった方へ。認識論の核心にふれる『知性について』と、哲学史に残る主著『意志と表象としての世界』を紹介します。
- 『知性について』(岩波文庫)
- 『意志と表象としての世界 I』(中公クラシックス)
『知性について』(岩波文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 1961年 | 180ページ | 中級者向け |
知性とは何のためにあるのか。
ショーペンハウアーはこの問いに対して、知性は「生存への意志」に奉仕する道具にすぎないと答えます。
天才と凡人の違い、直観と抽象思考の関係、哲学者と科学者の思考法の差異など、認識にまつわるテーマが180ページに凝縮されています。
岩波文庫の細谷貞雄訳は1961年の初版以来読みつがれてきた定番訳で、主著『意志と表象としての世界』を読む前の準備運動として最適です。
「哲学者はどうやって世界を見ているのか」に興味がある方にとって、格好の入口になる一冊です。
『意志と表象としての世界 I』(中公クラシックス)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2004年 | 400ページ | 上級者向け |
ショーペンハウアーの主著にして、西洋哲学史における最重要著作のひとつです。
「世界は私の表象である」という有名な一文から始まり、世界のすべては「意志」と「表象」の二面から説明できると論じます。
全3巻の構成で、第1巻では認識論と自然哲学を扱います。
中公クラシックス版は西尾幹二氏による訳で、文字が大きく読みやすいと評判です。
いきなり通読するのはハードルが高いため、先に梅田孝太氏の入門書や『存在と苦悩』を読んでから挑むことをおすすめします。
ショーペンハウアーを本格的に理解したい方にとって、いつかは必ず通る道です。
名言集・解説本で思想のエッセンスを知る3選


原典に挑む前に、まずは名言や解説からショーペンハウアーの世界観にふれたい方へ。気軽に手にとれる3冊を紹介します。
- 『心に突き刺さるショーペンハウアーの言葉』(河出書房新社)
- カン・ヨンス『求めない練習 絶望の哲学者ショーペンハウアーの幸福論』(文響社)
- 遠山義孝『人と思想 ショーペンハウアー』(清水書院)
『心に突き刺さるショーペンハウアーの言葉』(河出書房新社)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2013年 | 132ページ | 入門 |
ショーペンハウアーの言葉を「怒り」「孤独」「人生」「恋愛」などテーマ別に収録した名言集です。
池田晶子氏の監修で、一つひとつの言葉に短い解説がつき、哲学のバックグラウンドがなくても読めるようになっています。
132ページと薄く、電車の中や就寝前にぱらぱらとめくるだけでも、考え方のヒントが見つかります。
原典を読む前の下準備として、あるいは原典を読み終えたあとの振り返りとしても活用できる一冊です。
活字が苦手な方や通勤時間に少しだけ哲学にふれたい方におすすめです。
カン・ヨンス『求めない練習 絶望の哲学者ショーペンハウアーの幸福論』(文響社)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2024年 | 320ページ | 入門 |
韓国でベストセラーになったショーペンハウアーの入門解説書です。
「求めることをやめれば、苦しみは消える」というショーペンハウアーの幸福論を、現代の日常に引きつけてやさしく解説しています。
著者のカン・ヨンス氏は韓国の哲学教授で、難解な原典を学生にもわかるように噛み砕く手腕に定評があります。
哲学の専門用語はほとんど出てこないため、ショーペンハウアーの思想を日常の悩みに応用したい方に向いています。
「原典は読めないけど、ショーペンハウアーの考え方を生活に取り入れたい」という方に最適です。
遠山義孝『人と思想 ショーペンハウアー』(清水書院)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2014年 | 256ページ | 初〜中級者向け |
ショーペンハウアーの生涯と思想を体系的にまとめた、日本語でもっとも信頼できる解説書のひとつです。
著者の遠山義孝氏はドイツ哲学の研究者で、ショーペンハウアーの人生のエピソードと思想の展開を時系列で追いながら、読者が全体像を把握できるように構成しています。
『意志と表象としての世界』の要点もわかりやすく解説されているため、主著に挑む前のガイドブックとしても活用できます。
名言集や原典だけではつかみきれない、ショーペンハウアーという人物の全体像を知りたい方におすすめです。
思想だけでなく、哲学者の人生そのものに興味がある方にとっての決定版です。
ショーペンハウアーの本を読む前に知っておきたい「ペシミズム」の概念を解説


ショーペンハウアーの著作を読みこなすうえで、「ペシミズム(厭世主義)」の基本を押さえておくと理解が深まります。
①一切の生は苦しみである
ショーペンハウアー哲学の出発点は、「一切の生は苦しみである」というテーゼです。
人間の本質は「意志」であり、意志は常に何かを欲し続けます。
欲望が満たされなければ苦痛、満たされても次の欲望が生まれるか、さもなければ退屈に襲われる。
この循環から逃れることはできない、というのがショーペンハウアーの根本思想です。
ただし、彼は単に絶望を説いたわけではありません。
芸術鑑賞や禁欲的な生き方によって、意志の支配から一時的に解放される道があると論じています。
仏教にも通じるところがあります。


②カント・仏教思想との関係
ショーペンハウアーの哲学は、カントの認識論を土台にしています。
カントが「人間の認識できる世界は表象(現象)にすぎない」と説いたのに対し、ショーペンハウアーはその表象の裏側にある「物自体」こそが「意志」であると主張しました。
さらに注目すべきは、東洋思想との接点です。
仏教の「一切皆苦」の教えとショーペンハウアーの「一切の生は苦しみ」は驚くほど類似しており、西洋哲学史でインド思想を本格的に取り入れた最初の哲学者として知られています。
カントのおすすめ本15選も合わせて読むと、両者の関係がよく見えてきます。
③ニーチェ・キルケゴールへの影響
ショーペンハウアーの思想は、その後の哲学に決定的な影響を与えました。
ニーチェは若い頃ショーペンハウアーに心酔し、のちにペシミズムを乗りこえる「力への意志」の哲学を打ち立てています。
キルケゴールもまた、ショーペンハウアーの苦悩の哲学を引き受けつつ、「不安」や「絶望」を通じて信仰に至る実存主義の基礎を築きました。
ショーペンハウアーを読んでからニーチェやキルケゴールに進むと、近代哲学のつながりが立体的に見えてきます。
ニーチェのおすすめ本13選では、入門書から原典まで難易度別に紹介しています。
ショーペンハウアーのおすすめ本についてのよくある質問


ショーペンハウアーの本を選ぶとき、よく挙がる疑問をまとめました。
ショーペンハウアーの本はどれから読むべき?
まったくの初心者なら、梅田孝太氏の『今を生きる思想 ショーペンハウアー』がおすすめです。
わずか104ページで主著のエッセンスを網羅しているため、1時間ほどで全体像をつかめます。
その後に『幸福について』(光文社古典新訳文庫)に進むと、ショーペンハウアー自身の文体にも無理なくふれられます。
意志と表象としての世界は初心者でも読める?
率直に言うと、予備知識なしでの通読は難しいです。
カントの認識論を前提としているため、まずは入門書で概要をつかんでから挑むことを強くおすすめします。
中公クラシックス版は文字が大きく読みやすいと評判なので、版選びで挫折のリスクを減らせます。
翻訳はどの出版社がおすすめ?
出版社によって翻訳のスタイルが異なります。
光文社古典新訳文庫は現代語で読みやすく、初心者に最適です。
岩波文庫は2025年に新訳が出た『自殺について 他四篇』のように、信頼性と鮮度を両立しています。
新潮文庫は格調高い訳文で、原文の雰囲気を重視する読者に向いています。
ショーペンハウアーとニーチェの関係は?
若きニーチェはショーペンハウアーの『意志と表象としての世界』に衝撃を受け、自身の哲学の出発点としました。
しかし後年、ニーチェはショーペンハウアーのペシミズムを批判し、「力への意志」という独自の概念でそれを乗りこえようとしています。
両者を読み比べると、近代哲学の核心がよく見えてきます。
詳しくはニーチェのおすすめ本13選をご覧ください。
本をお得に効率よくインプットするコツ2選


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まとめ


ショーペンハウアーのおすすめ本12冊を、入門書から主著まで難易度順に紹介しました。
迷ったらこの1冊を参考に、まずは手にとってみてください。
| こんな方に | おすすめの1冊 | 難易度 |
|---|---|---|
| 哲学初心者 | 『今を生きる思想 ショーペンハウアー』 | |
| 人生の指針がほしい | 『幸福について』 | |
| 読書観を見つめ直したい | 『読書について』 | |
| 孤独と向き合いたい | 『孤独と人生』 | |
| 主著に挑戦したい | 『意志と表象としての世界 I』 |
ショーペンハウアーの言葉は200年近く前に書かれたものですが、欲望・孤独・退屈といったテーマは現代の僕たちの悩みと驚くほど重なります。
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