悩んでいる人デカルトの本を読んでみたいけど、方法序説?省察?入門書?種類が多すぎてどれから手をつけていいかわからない…。
デカルトの著作は17世紀に書かれたものだけに、翻訳の違いや難易度の差が大きく、一冊目の選び方を間違えると挫折しやすいジャンルです。
この記事では、近代哲学の父デカルトのおすすめ本を13冊、難易度別に厳選しました。
本記事の内容は、下記のとおりです。
- デカルトの代表作5冊を難易度とあわせて紹介
- 入門書・解説書5冊で理解を深める方法
- 上級者向けの研究書3冊で思想の核心に迫る
- 初心者が迷わない読書ルートもあわせて解説
この記事を読めば、あなたが読みたいデカルトの本が絶対に見つかるはずです。
今回は「まず原典か、それとも入門書か」で迷わないよう、代表作→入門書→上級書の3段階で読書ルートが見えるように配置しています。
デカルトの哲学をもっと広い文脈で学びたい方は、哲学のおすすめ本37選もあわせてどうぞ。
迷ったら、下のかんたん診断をやってみてください。3つの質問であなたにぴったりの一冊が見つかります。
いくつかの質問に答えるだけで、あなたに合ったデカルトの本がわかります。
📚 デカルト本診断
Q1. デカルトの原典を読んでみたいですか?
Q2. 哲学書を読んだ経験はありますか?
Q3. どんなテーマに興味がありますか?
Q2. 解説書に求めるものは?
あなたにおすすめの一冊は…
デカルトの代表作・主要著作おすすめ5選【初心者向け】


デカルトの著作は、じつは哲学書としては驚くほど読みやすいものが多いです。
ラテン語ではなくフランス語で書かれた作品もあり、翻訳さえ選べば初心者でも十分に楽しめます。
- 『方法序説』(岩波文庫)
- 『方法序説 まんがで読破』(イースト・プレス)
- 『省察』(ちくま学芸文庫)
- 『哲学原理』(ちくま学芸文庫)
- 『情念論』(岩波文庫)
『方法序説』(岩波文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 1997年 | 223ページ | 初〜中級者向け |
「我思う、ゆえに我あり」という一節を知らない人はいないでしょう。
この言葉が生まれたのが、デカルトの代表作『方法序説』です。
1637年、当時の学術言語だったラテン語ではなく、あえてフランス語で書かれたという点がこの本の画期的なところです。
デカルトは「すべての人に読んでほしい」と考え、母国語で書くことを選びました。
そのため文章は比較的平易で、哲学書にありがちな難解さが薄いのが特徴です。
岩波文庫版は谷川多佳子氏による翻訳で、訳文も読みやすく、長年多くの読者に親しまれています。
デカルトに興味をもったなら、まずこの一冊から。哲学の予備知識がゼロでも読みとおせる名著です。
『方法序説 まんがで読破』(イースト・プレス)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2010年 | 223ページ | 入門 |
いきなり哲学書を読むのはハードルが高い、という方にはこちらがぴったりです。
活字の哲学書に挫折した経験がある方にも自信をもっておすすめできます。
「まんがで読破」シリーズの一冊で、デカルトの思想の核心を漫画で一気につかめます。
主人公の塀凡哲夫がデカルトと出会い、方法的懐疑から「我思う、ゆえに我あり」にたどり着くまでの流れを物語形式で追えます。
活字の原典に進む前のウォームアップとして読めば、『方法序説』本体の理解が格段に深まるはずです。
活字が苦手な方だけでなく、原典を読む前の予習として使うとかなり効果的です。
『省察』(ちくま学芸文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2006年 | 306ページ | 中・上級者向け |
『方法序説』で提示されたアイデアを、さらに深く掘り下げたのがこの『省察』です。
正式タイトルは「第一哲学についての省察」で、デカルトが6日間にわたる思索の過程をそのまま綴った作品です。
感覚はほんとうに信じられるのか、夢と現実はどう区別するのか。あらゆるものを疑い尽くしたその先に、「考えている自分だけは疑えない」という確信にたどり着きます。
さらに神の存在証明、精神と身体の区別といった壮大なテーマへと展開していきます。
方法序説を読み終えたあとの次の一冊として最適です。
デカルトの思考プロセスを追体験したい方にとって、最もスリリングな一冊です。
『哲学原理』(ちくま学芸文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2009年 | 374ページ | 上級者向け |
デカルトは哲学の全体を一本の木にたとえました。
根が形而上学、幹が自然学、枝が機械学や医学や道徳。その「根と幹」をまとめて記した集大成が『哲学原理』です。
第1部で「我思う、ゆえに我あり」から始まる形而上学的原理を確立し、第2部以降で物質の本質や運動の法則、宇宙の構造について体系的に論じています。
デカルトが単なる哲学者ではなく、数学者であり自然科学者でもあったことが実感できる一冊です。
『方法序説』『省察』を読んでから挑むと、デカルト哲学の全体像がくっきり見えてきます。
デカルトの思想を「体系」として理解したいときに手にとってほしい一冊です。
『情念論』(岩波文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2008年 | 280ページ | 中・上級者向け |
デカルトの晩年に書かれた、「感情」を正面から論じた作品です。
驚き、愛、憎しみ、欲望、喜び、悲しみ。デカルトはこの6つを基本情念と定義し、それらが複合してあらゆる感情が生まれる仕組みを論理的に解き明かしています。
理性の哲学者というイメージの強いデカルトですが、本書では感情を否定するどころか、「情念は正しく使えば人生を豊かにする」と肯定的にとらえています。
自分の感情に振り回されやすいと感じている人にとって、400年前の哲学書が意外なヒントをくれるかもしれません。
感情をロジカルに整理したい方に読んでほしい、デカルトの隠れた名著です。
デカルトをもっと深く知る解説書・入門書おすすめ5選【初心者向け】


デカルトの原典を読む前でも、読んだ後でも。解説書を一冊はさむだけで、理解の深さがまるで変わります。
ここでは研究者が書いた本格的な入門書から、ビジネスに応用した異色の一冊まで、5冊をそろえました。
- 小林道夫『デカルト入門』(ちくま新書)
- 冨田恭彦『デカルト入門講義』(ちくま学芸文庫)
- 伊藤勝彦『デカルト 人と思想新装版』(清水書院)
- 谷川多佳子『デカルト「方法序説」を読む』(岩波セミナーブックス)
- 齋藤孝『仕事に使えるデカルト思考』(PHP研究所)
小林道夫『デカルト入門』(ちくま新書)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2006年 | 186ページ | 初心者向け |
デカルト研究の第一人者である小林道夫氏が、わずか186ページにデカルト哲学の全体像を凝縮した入門書です。
認識論、形而上学、自然学、人間論と、デカルト思想の主要な領域をひととおりカバーしています。
新書サイズなので通勤時間にも読めますし、薄さのわりに内容は本格的です。
『方法序説』を読む前のガイドとしても、読んだあとの復習としても使える万能な一冊です。
「デカルトって結局なにを言った人なの?」という疑問に、この一冊が最短で答えてくれます。
冨田恭彦『デカルト入門講義』(ちくま学芸文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2019年 | 307ページ | 初〜中級者向け |
タイトルどおり「講義」の形式をとった入門書で、大学の授業を受けているような感覚で読み進められます。
文体は「ですます調」で統一されていて、哲学書にありがちな堅さがありません。
デカルトの生涯から始まり、方法的懐疑、コギト、神の存在証明、心身問題と、主要なテーマを順番にたどっていきます。
307ページとやや厚めですが、語りかけるような文体のおかげで一気に読めます。
先ほどの『デカルト入門』がコンパクトな概観だとすれば、本書はじっくり腰を据えて学ぶタイプの一冊です。
時間をかけてデカルト哲学の全体像をしっかり理解したい方に向いています。
伊藤勝彦『デカルト 人と思想新装版』(清水書院)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2016年 | 234ページ | 初〜中級者向け |
清水書院の「人と思想」シリーズのデカルト編です。
このシリーズの特徴は、哲学者の「人」と「思想」を切り離さずに語ることです。
デカルトがイエズス会のラ・フレーシュ学院でどんな教育を受けたのか。なぜ書斎を出て「世間という大きな書物」をめぐる旅に出たのか。
生い立ちから思想形成までの流れを丁寧に追えるので、『方法序説』に書かれた自伝的なパートがぐっとリアルに読めるようになります。
ほかの入門書ではあまり取り上げられない『規則論』や『情念論』にもふれている点が魅力です。
「デカルトはどんな人だったのか」を知ってから原典を読みたい方にぴったりの一冊です。
谷川多佳子『デカルト「方法序説」を読む』(岩波セミナーブックス)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2014年 | 208ページ | 中級者向け |
『方法序説』の岩波文庫版を翻訳した谷川多佳子氏自身が、翻訳者ならではの視点で原典を読み解いたガイドブックです。
「なぜこの一文がこう訳されたのか」「デカルトはここで何を意図していたのか」。翻訳の裏側を知ることで、原典の読み方が変わります。
方法序説をすでに読んだ人が「もう一段深く理解したい」と感じたときに手にとると、新しい発見がいくつも見つかるはずです。
方法序説の全6部をていねいにたどりながら、17世紀の時代背景やデカルトの執筆意図まで解説している点が秀逸です。
方法序説を一度読んで「もっと知りたい」と思えた方にこそ読んでほしい一冊です。
齋藤孝『仕事に使えるデカルト思考』(PHP研究所)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2020年 | 158ページ | 入門〜初心者 |
デカルトの哲学に興味はあるけれど、哲学書そのものはちょっと重い。そんな方に向けた一冊です。
教育学者の齋藤孝氏が、デカルトの「方法的懐疑」をビジネスや日常の思考法として応用する方法を解説しています。
「本当にそれは正しいのか」と一度すべてを疑い、確実なものだけを積み上げていくデカルトの方法論は、仕事の判断にもそのまま使えます。
158ページと薄く、哲学の予備知識はまったく不要。通勤中に読みきれるボリュームです。
哲学とビジネスを結びつけた本は多いですが、デカルトに特化して実践的に書かれたものは珍しく、切り口の新しさが光ります。
哲学書が苦手な方でも、これなら「使える知識」として自然に吸収できます。
デカルト哲学を極める上級者向けおすすめ3選【中・上級者向け】


入門書を読み終え、原典にも目を通した。その先にあるデカルト思想の奥行きにふれる3冊を紹介します。
定説をひっくり返す研究書から、哲学者の素顔が見える書簡集まで、深く読みたい方のための選書です。
- ドゥニ・カンブシュネル『デカルトはそんなこと言ってない』(晶文社)
- デカルト・エリザベト『デカルト=エリザベト往復書簡』(講談社学術文庫)
- 村上勝三『デカルト形而上学の成立』(講談社学術文庫)
ドゥニ・カンブシュネル『デカルトはそんなこと言ってない』(晶文社)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2021年 | 274ページ | 上級者向け |
「デカルトは心と体を完全に切り離した」「理性だけを重視し感情を否定した」。そんなイメージをお持ちの方は少なくないでしょう。
フランスのデカルト研究者カンブシュネルが、デカルトにまつわる21の誤解を一つずつ取り上げ、原典に立ち返りながら真の思想に迫った一冊です。
心身二元論は本当に「分離」なのか。コギトは唯我論なのか。通俗的なデカルト理解を覆す議論が次々と展開されます。
入門書を読んで「デカルトはわかった」と思ったあとに読むと、その理解が良い意味で揺さぶられます。
「デカルトをわかったつもり」から脱却したいときに読んでほしい一冊です。
デカルト・エリザベト『デカルト=エリザベト往復書簡』(講談社学術文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2001年 | 339ページ | 上級者向け |
デカルトとボヘミア王女エリザベトが交わした書簡を収録した一冊です。
エリザベトは鋭い知性の持ち主で、デカルトの心身二元論に対して「精神と身体がどうやって相互作用するのか」と率直に疑問をぶつけました。
公刊された著作にはない、デカルトの「生の声」が読めるという点でほかに代えがたい資料です。
心身問題だけでなく、道徳や感情の問題についても率直に語り合っており、『情念論』の執筆にもつながる議論が含まれています。
哲学者としてのデカルトではなく、人間としてのデカルトに出会える稀有な本です。
デカルトの著作を読み尽くしたあとに、最後の一冊として手にとってほしい本です。
村上勝三『デカルト形而上学の成立』(講談社学術文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2012年 | 246ページ | 専門書 |
デカルトの形而上学がどのように形成されたのかを、初期の書簡から『方法序説』、そして『省察』にいたるまで丹念に追った専門的研究書です。
デカルトの思想をスコラ哲学との連続性のなかで読み解くという、ほかの入門書にはない視点が本書の核心です。
デカルトは中世哲学を断絶して近代を切り開いたとよく言われますが、本書を読むとその見方が単純すぎることに気づかされます。
大学で哲学を専攻している方や、デカルト研究を本格的に深めたい方に向けた一冊です。
デカルトの形而上学にさらに関心のある方は、形而上学の本おすすめ10選もあわせてどうぞ。
「デカルトの形而上学をもう一段深く知りたい」と感じた方のための、研究者レベルの専門書です。
デカルトのおすすめ本についてのよくある質問


デカルトの本を選ぶときによく出てくる疑問に、まとめてお答えします。
デカルトを初めて読むなら何から読むべき?
迷ったら『方法序説』(岩波文庫版)から読むのがおすすめです。
デカルト自身が「すべての人に読んでほしい」という意図でフランス語で書いた作品で、哲学書としては異例の読みやすさがあります。
活字が苦手な方はまんがで読破版を先に読むと、全体の流れがつかめます。
方法序説は難しい?初心者でも読める?
哲学書としてはかなり読みやすい部類に入ります。
当時の学術言語だったラテン語ではなく、母国語のフランス語で書かれたことが、文章の平易さにつながっています。
ただし第5部・第6部は自然学や光学の話が入るため、やや難しく感じるかもしれません。
第1部〜第4部が哲学の核心なので、まずはそこまで読めば十分です。
「我思う、ゆえに我あり」はどの作品で読める?
もっとも有名な「コギト」は、『方法序説』と『省察』の両方に登場します。
方法序説では自伝的な語りのなかで簡潔に述べられ、省察では6日間の思索を通じてより詳細に論証されます。
両方を読み比べると、デカルトの思考の深まりが見えてきます。
デカルトとスピノザ・カントの違いは?
デカルトは理性によって確実な知識を築こうとした「合理主義」の出発点です。
スピノザはデカルトの心身二元論を批判し、すべては唯一の実体(神すなわち自然)だとする「汎神論」を展開しました。
カントはさらにその先で、合理主義と経験主義を統合する「批判哲学」を打ち立てています。
デカルト→スピノザ→カントの流れを追うことで、近代哲学の発展が一本の線で見えてきます。
この流れに興味がある方は、哲学史のおすすめ本15選も参考になるはずです。
本をお得に効率よくインプットするコツ2選


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デカルト関連の書籍やちくま学芸文庫のラインナップも含まれており、何冊読んでも定額なので気軽に手を伸ばせます。
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まとめ


デカルトのおすすめ本13冊を、代表作・入門書・上級書の3段階で紹介しました。
迷ったときは、下の表を参考に一冊を選んでみてください。
| こんな方におすすめ | 書名 | 難易度 |
|---|---|---|
| まずはデカルトの代表作を読みたい | 『方法序説』 | |
| 漫画で気軽に入門したい | 『方法序説 まんがで読破』 | |
| 思考プロセスを追体験したい | 『省察』 | |
| コンパクトに全体像をつかみたい | 『デカルト入門』 | |
| 仕事に活かせる思考法を学びたい | 『仕事に使えるデカルト思考』 | |
| 定説を覆す視点がほしい | 『デカルトはそんなこと言ってない』 |
デカルトの哲学は、400年たった今も私たちの「考える」という営みの土台にあります。
原典を一冊読むだけでも、ものの見え方が少し変わるはずです。
気になった本があれば、ぜひ手にとってみてください。
デカルトから始まる近代哲学の流れに興味がわいた方は、哲学史のおすすめ本15選やギリシャ哲学の本おすすめ21選もあわせてどうぞ。

















