悩んでいる人キルケゴールって実存主義の父って呼ばれてるけど、本が難しそうで何から読めばいいかわからない…。
キルケゴールの著作は翻訳が複数あり、解説書もどれを選べばいいか迷いますよね。
この記事では、キルケゴールのおすすめ本を入門書から著作まで11冊厳選しました。
本記事の内容は、下記のとおりです。
- マンガ・解説書・著作の3段階でキルケゴール本を紹介
- 初心者向けの読む順番を難易度別にガイド
- 死に至る病の翻訳比較(岩波・講談社・ちくま)
- キルケゴールを読む前に知っておきたい3つのキーワード
この記事を読めば、あなたが読みたいキルケゴールの本が絶対に見つかるはずです。
今回は「マンガと読みもの→解説書→キルケゴール本人の著作」という3段階で、挫折せずにステップアップできるように構成しています。


迷ったら、下の診断で自分に合った1冊を見つけてみてください。
いくつかの質問に答えるだけで、あなたにぴったりのキルケゴール本がわかります。
📚 キルケゴール本診断
Q1. キルケゴールの本を読んだことはありますか?
Q2. どんなスタイルで読みたいですか?
Q3. キルケゴールの思想を理解したい?それとも著作に直接ふれたい?
Q2. 次に読みたいのは?
あなたにおすすめの一冊は…
キルケゴールの名前しか知らない人向けのおすすめ入門書2選


キルケゴールの名前は聞いたことがあるけれど、何を書いた人かはわからない。
そんな方にぴったりな、活字に慣れていなくても読める2冊を紹介します。
- 『死に至る病(まんがで読破)』(イースト・プレス)
- 堤久美子『超解釈 キルケゴールの教え』(光文社)
『死に至る病(まんがで読破)』(イースト・プレス)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2009年 | 184ページ | 入門 |
キルケゴールの代表作『死に至る病』を、漫画で読めるようにした一冊です。
キルケゴール自身の人生が物語の軸になっているため、彼がなぜ「絶望」というテーマに取り憑かれたのかを自然に理解できます。
哲学用語はほとんど出てきません。
厳格な父との関係、婚約者レギーネとの破局、そして孤独な執筆生活。
キルケゴールがどんな人間だったのかを知るだけでも、あとに読む著作の理解がまったく変わってきます。
活字の哲学書はハードルが高いと感じている方に、最初の一歩としておすすめです。
堤久美子『超解釈 キルケゴールの教え』(光文社)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2024年 | 213ページ | 入門〜初心者 |
仕事で行き詰まった人、人間関係に疲れた人、将来が見えない人。
本書は、そんな「詰んだ」と感じている8人の悩みに、キルケゴール先生が答えるという対話形式で構成されています。
キルケゴールの哲学は「絶望」がテーマですが、絶望を知ることは自分を取り戻す出発点でもあります。
対話形式なので読みものとして軽く、哲学用語に苦しむことなく読み進められます。
キルケゴールの思想を「自分ごと」として体験できる、2024年刊行の新しい入門書です。
哲学書というより人生相談の本として読めるので、哲学になじみがない方にこそ手に取ってほしい一冊です。
キルケゴールの思想や人生を知れるおすすめ解説書4選


キルケゴールの思想を体系的に理解したいなら、まず解説書から入るのが近道です。
キルケゴールの著作はペンネームが複数あり、偽名の背後に隠された意図を読み取るのが難しいため、いきなり原典に飛び込むと迷子になりがちです。
ここでは、生涯と思想をコンパクトにまとめた解説書を4冊紹介します。
- 鈴木祐丞『キェルケゴール――生の苦悩に向き合う哲学』(ちくま新書)
- 工藤綏夫『人と思想 キルケゴール』(清水書院)
- 藤野寛『キルケゴール――美と倫理のはざまに立つ哲学』(岩波現代全書)
- 中島義道『てってい的にキルケゴール その一 絶望ってなんだ』(日本実業出版社)
鈴木祐丞『キェルケゴール――生の苦悩に向き合う哲学』(ちくま新書)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2024年 | 256ページ | 初心者向け |
2024年に刊行された、いま最も新しいキルケゴール入門書です。
著者の鈴木祐丞氏はキルケゴール研究の専門家で、日記の読み解きを通じてキルケゴールの内面に迫るという独自のアプローチを取っています。
父の死、婚約者レギーネとの破局、コルサール事件による世間からの嘲笑。
キルケゴールは苦悩のただ中で書き続けた哲学者です。
「なぜキルケゴールは絶望を語り続けたのか」という問いに、彼の人生そのものから答えてくれます。
新書サイズなので持ち運びやすく、通勤や通学のお供にもぴったりです。
工藤綏夫『人と思想 キルケゴール』(清水書院)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2014年 | 224ページ | 初心者向け |
清水書院「人と思想」シリーズのキルケゴール篇で、長年にわたって読みつがれてきた定番の入門書です。
キルケゴールの生涯と思想を、コンパクトに一冊で網羅しています。
デンマークの裕福な家庭に生まれながら、父の罪の告白に衝撃を受けたこと。
大学で神学を学びつつ、ヘーゲル哲学への違和感を深めていったこと。
レギーネとの婚約を自ら破棄し、著作活動に没入していったこと。
伝記としても読み応えがあり、キルケゴール思想の全体像を最短でつかめる一冊です。
他の入門書と迷ったら、まずこの一冊を手に取ってみてください。外れのない安心感があります。
藤野寛『キルケゴール――美と倫理のはざまに立つ哲学』(岩波現代全書)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2014年 | 288ページ | 初〜中級者向け |
キルケゴールの思想は、しばしば宗教哲学として語られます。
しかし本書は、キルケゴールの哲学的な側面にフォーカスしています。
美的なものと倫理的なもの。
キルケゴールがこの二つのあいだで揺れ動きながら思索を深めていった過程を、伝記的な事実と照らし合わせながら丁寧に読み解いています。
宗教的な文脈がやや苦手という方でも、哲学としてのキルケゴールに正面からふれられる一冊です。
先に紹介した2冊の入門書を読み終えてから手に取ると、理解が一段深まります。
中島義道『てってい的にキルケゴール その一 絶望ってなんだ』(日本実業出版社)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2022年 | 272ページ | 中・上級者向け |
哲学者・中島義道氏が、キルケゴールの『死に至る病』を文字通り「てってい的に」読み解く異色の一冊です。
原文を一行ずつ取り上げ、中島氏が自らの言葉でかみ砕きながら注釈を加えていきます。
キルケゴールが書いた「自己とは自己自身に関わる関係」という一文を、あなたは読んですぐに理解できるでしょうか。
本書はそうした難解な一文を、中島義道という優れた哲学者のフィルターを通して、読者の手が届くところまで引き下ろしてくれます。
『死に至る病』を読む前に読んでもいいし、読みながら横に置いて参照するのにもぴったりです。
『死に至る病』に挫折した経験がある方にとって、再挑戦の強い味方になります。
【古典】キルケゴール本人が書いたおすすめ本5選


ここからは、キルケゴール自身が書いた著作に入っていきます。
解説書で全体像をつかんだら、いよいよ原典へ。文庫で手に入る5冊を、読みやすい順に並べました。
- 『反復』(岩波文庫)
- 『死に至る病』(講談社学術文庫)
- 『不安の概念』(平凡社ライブラリー)
- 『誘惑者の日記』(ちくま学芸文庫)
- 『現代の批判』(岩波文庫)
『反復』(岩波文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 1983年 | 282ページ | 初〜中級者向け |
キルケゴールの著作のなかでも、もっとも小説に近い作品です。
失恋した青年と、それを見守る年配の哲学者。
二人の手紙のやり取りを通じて、同じ経験を「もう一度」取り戻すことは可能なのかという問いが浮かび上がってきます。
背景にはキルケゴール自身のレギーネとの別れがあり、彼の痛みが物語のすみずみにまで染みこんでいます。
哲学用語がほとんど出てこないため、キルケゴールの著作に初めてふれるなら、この一冊から始めるのがおすすめです。
失恋や喪失感を抱えたことがある方なら、キルケゴールの言葉が胸に刺さるはずです。
『死に至る病』(講談社学術文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2017年 | 320ページ | 中級者向け |
キルケゴールの名を不朽のものにした代表作です。
タイトルの「死に至る病」とは、肉体の病気ではありません。
「絶望」こそが死に至る病であるとキルケゴールは宣言し、絶望のさまざまな形態を分類していきます。
自分が絶望していることに気づいていない絶望、自分自身であろうとしない絶望、自分自身であろうとする絶望。
講談社学術文庫版は2017年の新訳で、訳者は先ほど紹介した入門書の著者でもある鈴木祐丞氏です。
現代の日本語として読みやすく、キルケゴール研究者による的確な訳注も充実しています。
「自分は何者なのか」という問いを正面から突きつけられる、一生に一度は読んでおきたい哲学書です。
『不安の概念』(平凡社ライブラリー)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 2019年 | 350ページ | 中・上級者向け |
不安とは何か。
キルケゴールは、不安を単なる心理状態ではなく、人間が自由な存在であるがゆえに生まれる根源的な感情として捉えました。
自由であることは、同時に無限の可能性のなかに放り出されることでもあります。
その「めまい」のような感覚を、キルケゴールは徹底的に掘り下げています。
のちにハイデガーが『存在と時間』で取り上げた「不安」の概念は、まさにこの著作から着想を得たものです。
20世紀の実存哲学に大きな影響を与えた、キルケゴール思想の核心にふれる一冊です。
漠然とした不安に悩んでいるとき、その正体を言語化してくれる哲学書として読んでほしい一冊です。
『誘惑者の日記』(ちくま学芸文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 1998年 | 292ページ | 中・上級者向け |
ヨハネスという青年が、コルデリアという女性を綿密な計画のもとに誘惑していく日記形式の物語です。
もともとはキルケゴールの大著『あれか、これか』の一部として発表されました。
知的な駆け引きを楽しむ「美的実存」の究極の姿が、この作品には描かれています。
ヨハネスは恋愛を芸術作品のように仕立て上げ、相手の心を操作していきます。
読み終えたあとに残るのは、快楽だけを追い求める生き方の空虚さです。
キルケゴールが「美的実存」の限界を物語として突きつけた、哲学と文学の境界に立つ異色作です。
哲学の理論よりも物語から入りたい方にとって、もうひとつの入口になる作品です。
『現代の批判』(岩波文庫)
| 発行年 | ページ数 | 本の難易度 |
|---|---|---|
| 1981年 | 128ページ | 中級者向け |
わずか128ページ。キルケゴールの著作のなかで最も薄い一冊です。
しかし、その内容は現代社会に対する鋭い批判にあふれています。
「大衆は匿名で無責任である」「情熱なき反省ばかりの時代」。
キルケゴールが19世紀に書いたこの言葉は、SNSで匿名の批判が飛び交う現代にそのまま当てはまります。
個人が大衆のなかに埋没し、誰もが傍観者になっている社会への警告です。
170年以上前に書かれたとは思えないほど、いまの時代を射抜いた一冊です。
SNSとの付き合い方に疲れたとき、立ちどまって読んでみてほしい小さな名著です。
キルケゴールを読む前に知っておきたい3つのキーワード


キルケゴールの著作を手に取る前に、3つのキーワードを押さえておくと理解がぐっと深まります。
- キーワード1「実存」
- キーワード2「絶望」
- キーワード3「実存の三段階」
キーワード1「実存」
キルケゴールは「実存主義の父」と呼ばれますが、そもそも「実存」とは何でしょうか。
ひと言で言えば、「いま・ここに生きている、この私」のことです。
当時の哲学界はヘーゲルの壮大な体系が主流で、個人の存在は抽象的な概念のなかに溶けこんでいました。
キルケゴールはそれに反発し、「自分にとって真理であるような真理」、つまり主体的に生きることの大切さを訴えたのです。


キーワード2「絶望」
キルケゴールの哲学で最も有名な概念が「絶望」です。
絶望とは、自分自身を見失っている状態のことです。
日常的な「落ち込む」こととは次元が違います。
自分が本当は何者なのかに目を向けず、世間の評価や他人の期待に流されて生きている。
キルケゴールに言わせれば、それもまた「絶望」です。
厄介なのは、多くの人が自分の絶望に気づいていないということ。
『死に至る病』は、この「気づいていない絶望」を徹底的に分類した著作です。
キーワード3「実存の三段階」
キルケゴールは人間の生き方を三つの段階に分けました。
- 美的実存:快楽や刺激を追い求める生き方。退屈になると次の楽しみを探す
- 倫理的実存:義務や責任を引き受け、社会のなかで自分の役割を果たそうとする生き方
- 宗教的実存:神の前にひとりの人間として立ち、自分の存在そのものと向き合う生き方
この三段階はキルケゴールの著作と対応しています。
『誘惑者の日記』は美的実存を、『現代の批判』は倫理的実存を、『死に至る病』は宗教的実存を描いた作品です。
どの段階から読み始めるかで、キルケゴール体験はまったく違ったものになります。
キルケゴールのおすすめ本についてのよくある質問


キルケゴールの本選びで多く寄せられる疑問にお答えします。
キルケゴールの本は初心者でも読めますか?
読めます。
ただし、いきなり原典に飛び込むと挫折する可能性が高いので、まずはマンガや解説書から入るのがおすすめです。
本記事では『死に至る病(まんがで読破)』や堤久美子『超解釈 キルケゴールの教え』など、予備知識ゼロでも読める本を最初に紹介しています。
キルケゴールの本を読む順番は?
本記事の掲載順がそのまま推奨の読む順番です。
マンガ・読みもの → 解説書 → 著作(反復 → 死に至る病 → 不安の概念)の順に読み進めてみてください。
著作のなかでは『反復』が最も読みやすく、小説的な文体で哲学用語もほとんど出てきません。
解説書なしでいきなり著作に入りたい場合は、『反復』を最初の一冊にすると無理なく入れます。
死に至る病の翻訳はどれがおすすめ?(岩波 vs 講談社 vs ちくま)
主な翻訳は以下の3種類です。
| 出版社 | 訳者 | 特徴 |
|---|---|---|
| 講談社学術文庫 | 鈴木祐丞 | 2017年の新訳。読みやすさと正確さのバランスが良い。初心者にはいちばんおすすめ |
| 岩波文庫 | 桝田啓三郎 | 定番の名訳。原文の雰囲気を重視した格調高い日本語 |
| ちくま学芸文庫 | 鈴木祐丞 | 講談社版と同じ訳者。注釈がやや異なる |
初めて読むなら、講談社学術文庫版がおすすめです。
現代的な日本語で訳されており、訳注も丁寧なので、原文の意味を取りこぼしにくくなっています。
キルケゴールとキェルケゴールの表記の違いは?
どちらも同じ人物です。
デンマーク語の原語は「Søren Kierkegaard」で、日本語表記にはいくつかのバリエーションがあります。
「キルケゴール」が日本では最も広く使われている表記ですが、「キェルケゴール」のほうがデンマーク語の発音に近いとされています。
研究者のあいだでは「キェルケゴール」表記が増えていますが、一般的な文脈ではどちらを使っても問題ありません。
本をお得に効率よくインプットするコツ2選


キルケゴールの本をお得にインプットする方法を2つ紹介します。
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Audible(オーディブル)は、Amazonが提供するオーディオブックサービスです。
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哲学書は難解な文章が多いため、一度耳で聴いてから活字で読むと理解が深まります。
通勤や家事の時間を読書時間に変えられるのも、忙しい方にはうれしいポイントです。
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まとめ


キルケゴールのおすすめ本11冊を、入門書から著作まで紹介しました。
迷ったら、下のテーブルを参考にしてください。
| 目的 | おすすめの1冊 | 難易度 |
|---|---|---|
| マンガで入門 | 『死に至る病(まんがで読破)』 | |
| 読みものとして | 『超解釈 キルケゴールの教え』 | |
| 思想の全体像 | 『キェルケゴール――生の苦悩に向き合う哲学』 | |
| 定番の入門書 | 『人と思想 キルケゴール』 | |
| 最初の著作 | 『反復』 | |
| 代表作 | 『死に至る病』 | |
| SNS時代に | 『現代の批判』 |
キルケゴールは200年近く前のデンマークで、たったひとりで「自分とは何か」を問い続けた哲学者です。
その問いは、いま僕たちが日々のなかで感じる不安や迷いと、どこかで確かにつながっています。
気になった一冊を手に取って、キルケゴールの世界に足を踏み入れてみてください。
















